経済的に成功したければ、仕事がうまくいっている人のやり方を参考にするのがもっとも近道ですが、「妬み」のマインドを持っていると、成功した人を冷静に受け止めることができません。努力している部分を評価できず、自分の気に入らないところばかりが目に入ってしまいます。下手をすると、相手を全否定することにもなりかねませんが、成功者を正反対に理解しているようでは、仕事がうまくいかないのも当たり前です。
こうしたマインドは、実は日本経済の低迷とも深く関係しています。
日本は物作りの国であり、輸出で経済を成り立たせているというイメージがありますが、それは昔の話です。現時点において日本経済に占める貿易の割合は低下しており、経済を決める最大の要因は個人消費となっています。つまり個人が積極的にお金を使わないと経済はよくならない仕組みに変わっているのです。
ところが、工業国と消費国を比較した場合、経済を良くするためのやり方がまるで異なります。物作りの場合、製品をたくさん買ってくれる顧客(外国)がたくさんいれば、その分だけ自動的に輸出が増えて、経済が活性化します。しかし消費国の場合には、わたしたち自身が前向きになり、積極的にお金を使わないと経済は良くなりません。
こうした状況を考えた時、他人の足を引っ張ったり、他人の行動をバッシングする行為は経済に極めて大きなマイナス作用を及ぼします。今回の女子高生の騒動を見て、クルマを買うのをやめようと考えた高校生がいるかもしれませんが、日本はクルマの売れ行きが極度に悪化しており、自動車メーカーは若い人に車を売ろうと必死になっています。こんなことでは、売れないクルマがますます売れなくなってしまうでしょう。
ほとんどの人は、この女子高生をバッシングしている人たちと自分は違うと考えていると思いますし、実際、そうだと思います。しかし、あえて厳しいことを言いますが、もう少し小さなレベルではどうでしょうか。
新しいビジネスを立ち上げたいと言った人に「どうせうまくいかない」などと言っていないでしょうか。会社を辞めた人に「成功を祈っているよ」ではなく「我慢力がない」などと批判していないでしょうか。成功した人に対して「どうせ悪いことをしているんでしょ」と陰口を叩いていないでしょうか。新しい技術やサービスについて、問答無用で「危険だ」「とんでもない」と否定していないでしょうか。
新しいビジネスがうまくいくのかは誰にも分かりませんし、会社を辞めた人が成功するのかどうかも人それぞれです。うまくいかなければ、それは自分の責任ですから100%本人の問題であって周囲の人は関係ありません。新しい技術の中には有害なものもあると思いますが、使ってみてダメであれば、中止すればよいだけのことです。
行動する人を邪魔してばかりいると、先ほど説明したメカニズムによって経済がうまく回らず、最終的にはわたしたち自身の首を絞めてしまうのです。今回の女子高生中古車騒動は、わたしたち全員にとって共通のテーマと考えた方がよさそうです。
前回記事「ZOZO前澤氏は2500億ゲット!最短でお金持ちになるための普遍的法則」はこちら>>
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