絶景③ アサレ塩湖 [エチオピア]

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©Therina Groenewald | Dreamstime.com

鏡張りになる幻想的な塩の湖

 

エチオピア北東部、エリトリア、ジブチにまたがるアファール盆地の中心に広がるダナキル砂漠は、海抜マイナス約120mの世界屈指の低地で、地球上でもっとも過酷な土地とも評される場所。そのなかに、アフリカのウユニ塩湖ともいわれる「アサレ塩湖(別名カルム塩湖)」がある。水が反射して一面鏡張りになったような幻想的な景観や、湖面に現れる独特な塩の結晶の模様をひと目見ようと、世界中から多くの人が訪れる。近隣にはアファール族というムスリムの遊牧民が住んでおり、この白い大地からキャラバンが巨大な塩塊を都市へ運び出している。運がよければ、塩湖を渡るラクダの隊列にも出合えるかもしれない。

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アサレ塩湖の湖水は塩分濃度が高く、周りが塩田になっている。 ©Mara Duchetti | Dreamstime.com

ACCESS:都アジス・アベバから北部の町メックエルまで車で約13時間。メックエルを拠点に現地ツアーに参加するのが一般的。BEST SEASON:11〜2月。日中は気温40度を超えることがあり、夜間は20度ほど。


絶景④ ダルヴァザ [トルクメニスタン]

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©darkydoors

人間が作り出した炎燃え盛る地球の割れ目

カラクム砂漠にある地の割れ目から吹き出る炎。“地獄の門”との異名をとるその場所は、地下に豊富な天然ガスが埋蔵されているダルヴァザという町に位置する。1971年、地質の調査中の落盤事故で地面に直径50〜100mにもなる大きな穴が空いてしまい、噴射する有毒ガスの拡散を燃焼させて防ごうと火をつけた。以来可燃性ガスの影響で炎は燃えつづけている。当初は数週間でガスは尽きるだろうと考えられていたが、50年ほど経った今も健在だ。

ACCESS:現地ツアーへの参加が一般的。自力なら首都アシガバートから車で3〜4時間。
BEST SEASON:4〜5月、9〜10月。5月の場合、日中は気温30度ほど、夜間は16度前後。


絶景⑤ ナマクワランド [南アフリカ]

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©Malcolm Manners

出合えるかは運次第“奇跡の花畑”

ナマクワランドの春にあたる8〜10月、岩肌がむき出しになった荒野が一瞬だけカラフルに彩られる。7月に降ったわずかな雨の恵みを受けて、地表に眠っていた種子が一斉に目を覚まし、4000種以上もの花々が咲き乱れるのだ。ただし、その時期は毎年定まっておらず、しかも期間はわずか数日〜数週間のみ。さまざまな条件が揃わないと出合えないことから、その光景は“奇跡の花畑”と呼ばれている。見られるかどうかは運次第!

ACCESS:ケープタウン国際空港から6〜7時間。未舗装道路が多いので、運転に慣れていない人は現地ツアーへの参加がオススメ。BEST SEASON:8〜10月。9月の場合、日中は気温18度ほど、夜間は9度前後。

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<書籍紹介>
『TRANSIT(トランジット)44号 砂漠の惑星を旅しよう』

発行 euphoria factory / 発売 講談社 ¥1800(税別) 
6月17日(月)発売 電子版も発売中!

TRANSIT44号では、世界中に点在する「砂漠」を特集。美しい砂や岩が広がるロマンあふれる風景のほか、当地で暮らしつづけるさまざまな民族のことや、砂漠で研究されている地球の未来の形など、あらゆる側面から砂漠を紐解きます。特集記事は、「もしも世界が砂漠になったなら(砂漠化/水不足/緑化/食糧/ビジネス/サバイバル/都市計画/宇宙)」、「地球環境氏から見た人類と砂漠」「極限世界に生きる動植物の知恵」「なぜ砂漠にユートピアが生まれるのか?」など。特別付録はガイドブック「さばくのしおり」。

 

前回記事「【ネパール旅】ヒマラヤ、エベレスト…登山家たちが語る山の魅力」はこちら>>

 
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