ウォーリーを探せ!的な写真、私を見つけてみて下さいね。

サン・ポールから歩いてすぐのカフェバー、Les Nautesレノートはセーヌ河岸に建つ石造りのお家。中世では船の税関だった歴史的建造物をパリ市が管理しているのだが、十年毎の期限付きで貸し出し、若き実業家をそのアイデアと共に公募し、夢を叶える支援をしている。日本ではかつて『マネーの虎』なんていう深夜番組があったけれど、市を挙げて若者達のドリームズカムトゥルーをお手伝いしているなんて、何ともパリらしい。

 
 

物凄い競争率から勝ち抜いたというオーナー、ニコラはミモレ世代。かつては現役時代のシルヴィ・ギエムのマネージメントを手掛けていたという凄腕。アートやカルチャーシーンに精通している彼の夢は、パリの中心部に気軽に皆が集まって文化交流が出来る自由な場所を創る事だった。

 
 

そんな若きビジネスマンは普段至ってクールでのんびりしている。店のテラスでワインを片手にお昼寝中。スヌーピーファミリーの面々、ピーナッツコミックスに出てきそうなキャラクターである。鼻ちょうちんにZZZと吹き込みを書きたくなったワンショット。

Les Nautes 1 Quai des Célestins, 75004 Paris Tel 01 42 74 59 53

私の愛する件の彼がニコラのビジネスパートナーでもある為、私も時々飛び入りでお手伝い。冒頭の写真は、期間限定野外バーのイノギュレーション。私の後ろ、赤いシャツの男性は90年代パリの伝説的DJ DeeNasty氏。小さなブースでレコードを回し始めた。

「Hiroko! キミね、今誰と話しているのか分かっているの?偉大な音楽家に向かってそんな無神経な!」と何度彼にダメ出しされたことか。ごめんなさいね~、私そういうの全然知らないのよ~。と猫村さん風にトボけているのだが、偉大なアーティスト達は気にも留めず。逆に彼らには知らない音楽のジャンルを沢山教えてもらった。

 

排気ガス対策で、セーヌ河岸の高速レーンの車道を完全に撤廃し、遊歩道に変えたパリ市長イダルゴ氏。その政策とニコラのビジネスが相乗効果で、Les Nautesレノートはパリの新名所となった。店の前、セーヌ河岸の遊歩道が巨大なテラスと化し、天気の良い日にはジョギングやサイクリング、スケボーや犬の散歩のついでにちょこっと休憩するという市民の憩いの場所に。夕暮れ時の、なんと美しい事。

ここは夜もいい。室内では日替わりで、ジャズ、スカ、レゲエ、エレクトロ等々、あらゆるジャンルの生演奏が入るクラブになる。気が向けばちょこっと踊っても良いし、外のテラスで気ままに仲間達と語り尽くしても。

 

私がこよなく愛する場所、Les Nautesレノートは≪ナヴィゲーター≫というラテン語の語源の通り、パリ市とニコラという二人の案内人が、ここに来る全ての人を幸せな空間に導いてくれる。