『なな色マジック』は講談社の『なかよし』で1986年から1988年まで連載された人気少女漫画。少女漫画界のカリスマ、あさぎり夕先生の「読ませるストーリー展開」は30年の時を経てもワクワク感がぎっしり詰まっています。

 

40代の女性にとって『なな色マジック』は、その題名を見ただけでキュンキュン♡とする方も多いんじゃないでしょうか。私も小学生の高学年から中学生にかけて『なかよし』を愛読し、全プレや付録を毎月の楽しみにしていたひとり。今回、30年ぶりにあさぎり夕先生の『なな色マジック』をおさらい。切なくなるような、ワクワクするような胸熱な感じ……長いこと忘れていました。

主人公の菜々子は1973年7月7日生まれの中学2年生。お転婆でちょっとひねくれているところもあるけれど、料理好きの心優しい女の子。双子の姉の友理はトップアイドルで小さい頃から天使のように可愛らしく、菜々子はこの姉にずっとコンプレックスを持っています。新学期、大好きなラッキー7の出席番号で大喜びする菜々子。同じクラスの出席番号7番はダンスが好きでお祭り少年の小林一樹。女子からはモテモテのイケメンです。この一樹は、実は姉の大ファンだと知って……。

漫画が人生に影響するということは大いにあり得ることで、あの頃は、菜々子の生き方に自分をオーバーラップさせていました。好きになる男子のタイプもそうだし、女の子としての仕草や人格形成まで(笑)。そんなわけで、懐かしい気分にどっぷりと浸っていたのですが、40代になってからもう一度読むと、大人になった今でも随所に魅せられる展開だったんだとわかります。

まず、主人公の菜々子のコンプレックスを克服しようとする心理描写が秀逸です。
「がんばりやの菜々より かわいいおねえが好きなのね もうがんばるのは やめよう どんなに がんばっても おねえには 勝てないから」
とひねくれてばかりいた菜々子。それが、
「真剣になにかにうちこんでいる人は輝いている……か 以前のあたしなら なんてクサイセリフだって笑ってすませちゃっただろう でも いまは ほんのすこし キャプテンのいうことが わかる」
と少しずつ成長をとげていくのです。

 

その後、菜々子自身も演劇の世界に身をおき、コンプレックスを乗り越え、ひねくれ者の殻を破って成長していきます。まっすぐにひたすら自分の内側と向き合う姿は、今読めば暑苦しささえありますが(笑)、著者の伝えたかったメッセージが自分も年齢を重ねたことでダイレクトに伝わってくるのです。ネタバレにもなりますが、菜々子は実は料理上手で本命の一樹の胃袋をつかんでいたり、情が誰よりも深く母性本能にあふれていたりと、ティーン特有の甘酸っぱい恋だけではないモテる女のテクニックも兼ね備えていたりして、ニヤケが止まらなくなりました。

故きを温ねて新しきを知る少女漫画……ではないですが、30年の時を経て新しい発見がたくさんある『なな色マジック』。少女漫画の名作を秋の夜長のおともにぜひ。
 

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<『なかよし』展のお知らせ>

 

<創刊65周年記念『なかよし』展
~乙女には恋と夢(ファンタジー)が必要だ☆~>開催中!

現存するマンガ雑誌の中で最も長い歴史を持つ『なかよし』(講談社)は、1954(昭和29)年12月に創刊号が発売された。創刊当初は手塚治虫が目玉となって活躍し、「リボンの騎士」などの作品が雑誌を牽引。その後1970年代に「地獄でメスが光る」「おはよう!スパンク」、1980年代に「妖鬼妃伝」「なな色マジック」「きんぎょ注意報!」「ミンミン!」、1990年代には「ミラクル☆ガールズ」「美少女戦士セーラームーン」「あずきちゃん」「魔法騎士レイアース」「カードキャプターさくら」の他、様々な人気作品を掲載。1993年9月号の発行部数は過去最高の200万部を超えました。

創刊65周年を迎える本年に、『なかよし』の歴史を辿る展覧会を開催。創刊からの歴史を紹介しながら、長く愛され続ける『なかよし』の魅力に迫ります。

◆会期
2019年10月4日〜2019年12月25日

◆会場
弥生美術館
文京区弥生2-4-3

◆観覧料金
一般900円、高大生800円、小中学生400円
※竹久夢二美術館も観覧可
詳細は公式サイトへ

◆休館日
月曜日(10月14日、11月4日は開館)、10月15日、11月5日

◆開館時間
10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで

◆お問い合わせ
tel. 03-3812-0012

 

『なな色マジック なかよし60周年記念版(1)』

著者 あさぎり 夕 講談社

夢を追いかけるあなたが好き! 街で踊っていたあなたに恋をした。7月7日生まれの菜々子(ななこ)には7の魔法がある。クラス替えで7組7番になり、ラッキーな菜々子。が、お祭り少年・一樹(かずき)が隣の席になったとたん、何かと騒動に巻き込まれ、頭の痛い毎日。おまけに一樹は超アイドル相本友理(あいもと・ゆうり)の大ファンと知って、さらにユーウツ。なぜなら友理は菜々子の双子の姉で、彼女のコンプレックスのもとなのだ! 永遠の名作、第1巻!