1977年に連載を開始した『生徒諸君!』は続編の『生徒諸君! 教師編』、最終章の『生徒諸君! 最終章・旅立ち』と連載期間24年で完結となっています。そして2019年7月より主人公のナッキーの双子の子どもの物語『生徒諸君!  Kids』が発表。さらにパワーを増した『生徒諸君!』が話題です。

国民的ヒロインと呼ぶにふさわしいナッキー。『生徒諸君!』を読んだのは35年も前の小学校低学年の頃のことです。細かいディテールは忘れてしまっていても、転校生のナッキーの文武両道でいつでも明るく、正義感ある熱い思いは身体に染みついています。マール、初音ちゃん、沖田くん、悪たれ団、それにナッキーの訳ありの過去。ただ明るいだけでない深く傷ついた思いにどんなに心を打たれたことか。忘れたくても忘れられるはずもない物語の一つです。その後、教師となったナッキーはフィンランドで北城学園を開校し、悪たれ団の仲間である岩崎との別離で物語は幕を閉じています。

 

さて、そんなナッキー。なんと、双子を産んでいたのです。そこからが最新作の『生徒諸君! Kids』編となります。今回のKids編では、国民的ヒロインであるナッキーは今のところ登場していません。双子の翔(かける)と流華(るか)の物語なのです。正直言いますが、最新作、私としては随所に散りばめられた小ネタ感がかなりツボに入ってしまいました。往年の『生徒諸君!』のファン、あの熱い物語を期待していた方は違和感があるかもしれませんが、違うテイストの作品として楽しめる新境地の『生徒諸君!』となっています。
まず物語は、成田空港から始まります。外国からやってきた双子は、空港の検査場でナッキーのかつてのパートナーである野口トビオに出会います。ひょんなことからトビオはこの双子を目的地まで車で送っていくことになるのです。

偶然すぎやしませんか(笑)? その後、尚子が書いたメモを見たトビオ。
「尚子の字だ 尚子は 避妊をやめていたんだ この2人を産んだ どこで」
と言います。まさか『生徒諸君!』シリーズで避妊という言葉が出てくるとは。その後、たどり着いた先の家で双子が尚子の両親に会うのですが、「僕たちは学校に行くんでしょう?」とのシーンで、トビオが「全部公立ですよ」と急に現実的な話が出てきたり(笑)。

きわめつけはこちら。

あの『生徒諸君!』シリーズなのに、小ネタがとにかく笑えるんです。

『生徒諸君! Kids』は今の時代にふさわしい昼ドラ感とコミカルさの合体に新しさを感じます。悪たれ団の熱き学園物語とはあくまで別路線として、懐かしさとかではなく久しぶりにツボにはまる漫画に出会いました。次号からも見逃せません。

1、2話を無料公開!ぜひチェックして。

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『生徒諸君! Kids(1) (BE LOVE KC)』

著者 庄司 陽子 講談社

ナッキーが日本をたって早や、数年。成田空港に幼い双子がおりたった。その場に偶然居合わせたトビオは二人を保護者のもとへ送りとどけることに。この二人の正体を知らぬまま車で東京へ向かうのだが……。新たな伝説が始まる!