スポーツ庁が行った調査で、30代後半の女性の体力が低下していることが分かりました。なぜこの年代の体力が低下しているのでしょうか。また、どのような対策が必要なのでしょうか。
スポーツ庁は、国民の体力状況を把握するため、毎年、各種の体力テストを実施し、その結果を公表しています(平成27年度より前は文部科学省が実施)。最新(平成30年度)の調査によると、実年齢より体力年齢が若い人の割合が50歳代で大幅に増えていることが分かりました。
55歳から59歳の男性の場合、1998年の調査において実年齢より体力年齢が若かった人の割合は30.9%でしたが、今回は52.5%に増えています。女性も36.5%から54.8%に増えているので、男女ともに、元気な中高年が増えていることが分かります。
一方、体力年齢が若い人の割合が低下しているのが30代後半の女性です。35歳から39歳の女性で、実年齢より体力年齢が若い人の割合は、20年前は40.3%でしたが、最新の調査では26.8%に急減しました。同年代の男性は、割合が多少上がっていますから、30代後半の女性だけが下がっているという状況です。
基本的に運動量と体力には密接な関係があるといわれますが、30代後半の女性は、運動実施率(ほとんど毎日運動する+ときどき運動する)の低下傾向が顕著です。男性の場合、実施率に大きな変化がありませんから、この世代の女性が運動不足であることはほぼ間違いありません。
スポーツ庁では、一連のデータから、女性の社会進出が進んだ結果、女性の運動量が減っており、これが体力低下を招いていると分析しています。より若い世代の女性の運動量も低下していますから、社会進出との関連性が高いというスポーツ庁の分析結果は信憑性が高そうです。
もっとも女性が運動しないといっても、高齢者になると少し状況が変わってきます。65歳から69歳の男性の運動実施率はここ数年、低下していますが、女性はむしろ上昇しています。仕事をする年齢では運動不足ですが、高齢の女性は活発に運動していることになります。
30代後半は仕事でも責任ある立場に就く可能性が高くなりますが、一方で完全な管理職世代というわけではなく、人によってはプレイングマネージャーの役回りを要求されてしまいます。この世代は、自由な時間を確保するのがもっとも難しい世代なのかもしれません。
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