完璧にこだわらない、失敗は学びのチャンス
30年近いキャリアを経た今、松雪さんは「常に完璧にやるのは無理」ということに気づいたそうですが、それは決して諦めではありません。
「現場のように多くの人が関わる場合は、失敗の原因が見えにくい場合があります。本来なら早い段階で防げたものが、運悪くすべてがよくない方向に連鎖してしまって、大きな失敗に繋がってしまうこともある。『え? なんでこうなっちゃうの?』ということは、世の中にも自分の身の回りにも日々あります。今はもう、起きてしまったことには対応して進むしかないですし、失敗をしたら学びのチャンスと切り替えて、失敗を感情で引きずらず、改善し続けるスタンスです。
ある程度の年齢になっているので、いかに軸をぶらさずに地に足を付けた状態で、フラットに物事に向き合えるかというところで、視野も心も広くなっていると思います。見えない領域への想像力を働かせることによって、人類も、世の中も、社会も、自分も改善していかなければいけないなと。このドラマ(『ミス・ジコチョー』)に関わって、改めて失敗を教訓にして前向きに改善することの大事さを再認識しました。これからは日々失敗学の概念を生かしたいと思います」
<ドラマ紹介>
ドラマ10 Miss!? ジコチョー −天才・天ノ教授の調査ファイル−
[総合]毎週金曜よる10時
天才工学者が、毎回さまざまな事故を第三者の目で調べる「事故調査委員会(事故調)」に招かれ、秘められた真相に挑む。「陸王」「半沢直樹」の八津弘幸、「おっさんずラブ」の徳尾浩司らによる完全オリジナル脚本のミステリー・エンタテインメント。
<スタッフ/キャスト>
作:八津弘幸、徳尾浩司、吉田真侑子
音楽:真鍋昭大
出演:松雪泰子/堀井新太/須藤理彩/高橋メアリージュン/余貴美子 ほか
主題歌:[ALEXANDROS]「あまりにも素敵な夜だから」
失敗学監修:畑村洋太郎(東京大学名誉教授)
制作統括:小林大児(NHKエンタープライズ) 髙橋練(NHK)
演出:福井充広 笠浦友愛 家次勲
取材・文/須永貴子
ヘアメイク /石田絵里子(エアーノーツ)
スタイリング/長谷川みのり
構成/笹本絵里
第1回「松雪泰子が演じる掟破りのキャラクター。「失敗学」って何?」はこちら>>
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