マネーコラムニストの西山美紀です。
「はじめてみたいけれど、忙しいし、今すぐやらなくてもいいか」と、二の足を踏んでいることはありませんか。
そのうちの一つが「投資」という人も、いるかもしれません。

 

WEBの記事でも、「投資」の話題をよく見かけます。興味はあっても、なかなか一歩が踏み出せない、そのうち時間ができたときに……と思いながら、月日はどんどん過ぎていく。

そうしてつい先のばしにしている方がいたら、ぜひこれを機に、今度こそ一歩を踏み出してみてほしいと思います。

一歩踏み出すと、視界がいっきに開ける


話は変わりますが、私にとって長年なかなか踏み出せないことの一つに、サッカーの審判資格取得がありました。

え? なぜ審判?という感じですが、小学6年生の我が家の長男が2年生のときからサッカーチームに入っていまして、試合をみるたびにいつか審判資格を取ってみたいなあと思っていたのです。

ルールがよくわからなかったり、父子で試合後に「あの場面が」と話しているときに理解できなかったりで、ルールをもっと知りたいと思っていました。数年前に審判資格を取った夫から「審判をするようになって、サッカーの見方が変わった」という話を聞き、「いつか」という思いがふつふつとわいたり、「まあいいか」と思ったり。

家にルールブックはありますが、生粋の怠け者ゆえ、わざわざルールブックは開かない(勉強、と思うとなかなか一歩踏み出せないものですね)。資格を取るとなれば、勉強せざるをえなくなる、という変な期待もありました。

とはいっても、審判はほぼ男性(コーチや選手のお父さん)で、女性(選手のお母さん)は、ごくごくわずか。
しかも私自身は、運動はずいぶんご無沙汰で、筋力と気力向上のため、週1で加圧トレーニングに通えるかどうか、といったところ……。

そう逡巡しているうちに、長男が小6になり、このまま審判資格を取らなかったら後悔する!と思い、重めの腰を上げて東京都サッカー協会が開催する新規認定講習会(4級)に行ってきました。

ぶ厚いルールブックを前に呆然としつつ、場違いな場所に来てしまったと身を縮めつつ、かといって帰る選択肢はなく、頭がこんがらがりながら解説を聞き、実技を習い、テストを行い、おかげさまで無事4級を取得することができました。

「こんなに細かいルールがあったとは」「試合は審判の采配が重要だったんだ」と知るにつれ、視界がどんどん開けていくようでした。

そして先日、第4審(選手交代の確認やボール交換などを行う役目)を、公式戦の後で行われた練習試合で行いました。
選手の動き、主審・副審の動き、両チームのベンチからの声などを肌で感じ、これまで見てきたサッカーの試合とは、まるで違う景色でした。「外の人」から「中の人」になったような感覚。
子どもとのサッカーの話をするときも、プロの試合を見るときも、受け取れる情報量が少しずつ増えていきます。例えるならば写真の解像度がいっきに増したよう。

主審・副審をする自信はまだなく、ペーパードライバー状態なのでエラそうなことは言えませんが、一歩踏み出してよかったなあとしみじみ感じています。興味があることなら、ただ眺めているだけでなく、一歩踏み出して「自分事」にしてみる。受け取れる情報が増え、より楽しめると実感しました。

 
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