Shakespeare and Company, 37 rue de la Bucherie, 75005 Paris

「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。」― ヘミングウェイ『移動祝祭日』

"If you are lucky enough to have lived in Paris
as a young man, then wherever you go
for the rest of your life, it stays with you,
for Paris is a moveable feast"

学生の頃、ヘミングウェイの『移動祝祭日』を読んで感激し、とくにその、冒頭の謎めいたエピグラムが忘れられなかった。パリってどんなところなのだろう。この世にそんな素敵な場所が本当にあるんだろうか。

常連さん達がチェスを楽しむ

冒頭の写真は、ヘミングウェイが通い続けたシェークスピア&カンパニー書店。二十年代パリのアーティスト達がこぞって通い続け、交流の場となった事は『移動祝祭日』に詳しい。今は二代目のオーナーになり、すっかりツーリスティックな場所になってしまったけれど、世界中から文学愛好者達がやって来る事は変わらない。此処にはタイムスリップしたような、不思議なオーラが漂う。

私も仕事帰りの、特に疲れ切って心がささくれ立っている時に立ち寄っては、偉大な物書きのエスプリに肖り、癒されている。

英米文学の図書館も備えるシェークスピア書店

しかし≪移動祝祭日≫ってどういう意味だろう?高見浩さんの素晴らしい翻訳によるもので、原文では≪A Movable Feast≫と直訳に近いが、仏語版では饗宴、祝祭、を意味する≪Une Fête≫となっている。

ずーっと想い続けて、色んな偶然と幸運が重なり、パリに棲みついた私なのだが、この序文の意味する事が、やっと分かった様な、分からない様な。

二年前の今日書いた初々しい記事を読み返す。
「ミモレ誌上でこの様な機会を頂き、夢の様な気分です。皆さまと、このワクワクする気持ちを共有していきたいと思います。楽しい、美しい場所にしたいと思っています。まるでパリの街の様な…!」

遠い遠い将来、おばあちゃんになった時に、日本に帰国していたら、近所の子供達を集めては、パリ自慢でもするんだろうか。もしくはパリに棲み続けて、相変わらず恋に現を抜かしているのかも。うん、それも悪くない。いずれにせよ、このブログ『日曜日のパリで!』が、私にとっての≪移動祝祭日≫の様なものだ。

「私たちは顔をあげた。すると、愛するすべてがそこにあった。私たちのセーヌと、私たちの街と、私たちの街の中の島とが。ーヘミングウェイ」

これからも、私のブログ『日曜日のパリで!』を、どうぞご贔屓に!