帰りのメトロで偶然目にした広告。ベルギー出身の歌姫アンジェルのコンサートポスター。過去のコンプレックスを、未来の自分が優しく見つめている。

タキシードのドアマンに迎えられ、パーティ会場になったクリニックに入ると、最初に歓迎してくれたのは初老の可愛らしいムッシュー。「今日は僕の息子の為にお越し頂き有難う。僕はモーリス。ジャック=イヴのパパです。」穏やかにゆっくりと話す口調は、流石親子、私のドクターと同じだ。実はこういう華やかなソワレが苦手な私の緊張が解けていく。今夜は九月に移転したばかりの、新しいキャビネのお祝いの日。

 

クリニックの看板娘、受付のカリーヌさんが登場。ブロンドの髪とオレンジ色のニットが、明るい彼女の性格そのものを現している。「マドモワゼル!治療が終わっても、時間があったら私に会いに来てね。お茶でもしましょ!」

 
 

ソフィー・マルソー似のカミーユ先生。いつもは顔半分を覆うマスク姿の彼女が、こんなに美しい女性だったとは。こういうギャップが堪らなく好きだ。

 

「歯科と矯正歯科の違いはね、歯医者さんには皆が痛い思いをしにやって来るでしょ。虫歯だったり、歯槽膿漏だったり、何かしらの問題を抱えて、恐れを抱いてやって来る。その逆で、矯正歯科には皆が希望を持ってやって来る。美しい歯並びと噛み合わせを手に入れて、思いっきり笑いたいという願いをね。だからこの仕事が好き。そしてそんな前向きな患者さんの夢を叶えるのが私の喜びなの。」

この夜の一番の華!主任アシスタントのモーニャさんと研修生のレアさん。お洒落な二人のパリジェンヌは、やっぱり今が旬のジャケット、ライダース、赤リップなんかを取り入れているわけで。思わず、可愛い~!!とキャッキャしてしまった私。

 

「私の夢はね、いつか自分の為に働く事。つまり一生雇われの身で居たくないの。矯正歯科のアシスタントの仕事は大好き。ドクターからは毎日沢山の事を学んでいるわね。凄く忍耐力の要るポストだけれど。将来はもしかして女優かモデルに転身しているかもしれないわよ。」とモーニャさん。一度に百の指示を出すドクターの言葉を聞き逃さずに、クールに対応する姿を患者の立場で二年半見て来た。この女性は何をやってもいつか必ず成功するに違いない。

ケータリングは、Armand Ohana Paris アルマンド・オハナ パリ。ドクターの御友人で、このソワレでは全てがヴェジタリアンメニュー。
DJブースには、この夜の為に特別にミックスリストを作ってくれたシルヴァンSLVN氏。偶然にも私の件の彼と知り合いだった。世界は狭い。

このソワレで、新しいドクターを紹介される。審美歯科医師のパスカル氏。矯正治療が終わった次のステップ、これから私の昭和な銀歯や詰め物、黒ずんだ歯を治して下さるドクター。勿論ジャック=イヴ先生のお墨付き!何だか愉快なムッシューで、コシノジュンコ氏のお友達だという。あはは、ホントかしらね?このキャラの濃いドクターがブログに再登場して下さる日は、そう遠くない気が。

 

ジャック=イヴ先生の新しい門出を祝う会で、私の矯正治療終了を労って頂き、このブログでキャビネを紹介したお礼もして頂いた。矯正治療のエピローグに、こんな素敵なプレゼントが待っていたなんて想像もしなかったな。これからも、小さな勇気を出してエイっと扉を開いて行くんだ、と決意を新たにした夜。皆が幸せで嬉しかったソワレ。このクリニックには笑顔が集まる。ドクターの新しいスタートに乾杯!