フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。
10月30日に「パーク ハイアット 京都」、11月1日に「アマン京都」と、世界の2大ラグジュアリーホテルが立て続けにオープンし、グローバルな観光地としてますます勢いを増す京都。超のつく、リュクスぶりを、早速リポート。
① その地にステイすることが目的のアマン京都
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img0](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/350/img_b73093a2380b72271c1cc97a24385878438474.jpg)
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img1](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/450/img_c14fa004d9246be10cbf92a49160f5fa389155.jpg)
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img2](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/450/img_7a9f9ed578e372135ae23f40326e5435502090.jpg)
京都駅から車で30分、金閣寺のさらに先、洛北の地にひっそりと佇むアマン京都。そこは、三代にわたり、西陣織の機屋が織物の博物館を建てるために大切に保有していた約2万4千平米の広大な土地。丹波姫路から運んだ石を敷いた趣のある石畳をはじめ、荘厳な石門や、石垣などを守り生かしたうえに設計されたケリー・ヒルの建築が、豊かな鷹峯の森と、見事な融合を見せています。貴重な石畳や苔むした道ゆえ、カートも入れず、ラゲージを持つドアマンと連なってフロントまで進む道程は、あるときは絶海の孤島に浮かぶ、またあるときは砂漠の中に建つ、デスティネーションホテルとしてのアマンの理念を体現していることを肌で感じます。
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img3](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/450/img_ff697f50ae6c13b05d70b5f1b4cc915e224810.jpg)
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img4](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/450/img_02574766d51116e63e1cf1548fa4125b300641.jpg)
ゲストルームは庭に向かって大きく開かれ、窓の外に広がる手つかずの自然に抱かれるよう。アジアンテイストをひそませた優美なインテリアも、“主役は京都の鷹峯の自然ですよ”と言わんばかりに、あくまでシンプルシック。でも、圧巻は、バスタイム。バスルームとベッドルームを隔てる仕切りを開け放つと、バスタブに体を沈めながら窓の外を一望にでき、まさに日常から隔絶された至福の時間を過ごすことができるのです。
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img5](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/1/1/450/img_1191a220f99d55f139782b21458775fa264794.jpg)
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img7](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/9/5/670/img_95918259ab32c9d1e43d06391be9d150542026.jpg)
![京都ラグジュアリーホテル体験レポート_img9](https://mi-mollet.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/670/img_c8688fa9c37857a0da30c2dc010520f4495367.jpg)
レストランは、京都の地の素材をふんだんに取り入れたイタリアンベースのイノベーティブな料理を供する「ザ・リビング パビリオン by アマン」と、「京都𠮷兆」や「花𠮷兆」で修業を積んだ正統派の和食「鷹庵」の2か所。オールデイダイニングの役目も果たす前者は、おばんざいが並ぶ朝食にはじまり、パスタなどのアラカルトや創意に富んだシェフおすすめの本格的なランチやディナーコース、そしてアフタヌーンティーまで、多彩な料理が味わえます。一方、今は夜だけですが、来年から昼も営業する「鷹庵」では、料理長の手さばきを間近に見られるカウンター席、テーブル席、個室と用途に応じてチョイスして。コースは先付、椀、お造り、八寸、焼きもの、揚げ物、炊き合わせ…とオーソドックスながら、極上の素材に丁寧に手をかけた洗練の味わいにとても好感が持てます。飲物は幅広い日本酒の品ぞろえも、各国のワインを厳選したラインアップもさすが。それらを織り交ぜたペアリングも素晴らしく、王道の日本料理+グローバルスタンダードなドリンクというもてなしが、実にアマンらしいと感じました。ちょうどお隣で食事をしていたサンフランシスコからのご夫婦を完璧に満足させていたソムリエの説明は見事でした。
アマンといえば、もう一つ、忘れてならないのがスパの楽しみです。京都ジャーニーと銘打った、宇治茶や丹場の黒豆、地酒、椿オイルなど天然由来の成分を用いたトリートメントが夢の世界へといざなってくれます。
土地との出会いから構想を実現するまでに20年以上ものときを擁したというアマン京都。究極の贅沢旅ではありますが、まだ見ぬ京都に出会える、究極のステイとなることは間違いありません。
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