先ほどのケースに20%の税金が発生した場合、20年後に得られる金額は約870万円に下がってしまいます(最後の年に一括で売却したケースを想定)。100万円近くの税金というのは、多くの人にとってかなりの金額ではないでしょうか。つみたてNISAでは、この税金が免除されるわけですから、消費者にとってメリットが大きいことがお分かりいただけると思います。

 

政府は基本的に税金を取ることばかり考える組織ですから、つみたてNISAはかなりの大盤振る舞いといってよいでしょう。つまり、政府は何としても投資による資産形成を促したいわけですが、政府が投資の推奨に躍起になっているのは、説明するまでもなく公的年金の財政が危機的な状況だからです(年金が足りない分は、自己責任の投資でカバーしてもらおうという、少々虫のいい話です)。

 

年金2000万円問題でもクローズアップされましたが、老後も仕事を継続し、少ないながらも年金は満額を受け取り、これに投資などの自己資金を加えることで、ようやく安定した生活を送れるというのが現実と考えてください。

老後の資金が足りないといって、いきなり退職金を投資につぎ込む人がいますが、これはやめた方がよいでしょう。投資に成功した経験者として断言しますが、投資はスポーツや習い事と同じで、経験値や練習量が絶対的にモノを言う世界です。投資経験のない人が、退職金をもらっていきなり多額の投資をスタートするのは、キャッチボールもロクにできないのに甲子園大会に出場するようなものです。

つまり若いうちからできるだけ投資に慣れておいた方が有利であり、その意味において、長期の積み立て投資には大きなメリットがあります。興味があるなら、今すぐにでも投資を始めた方がよいと思います。

繰り返しますが、投資は自己責任ですから、商品の選択については、自分自身で責任を持たなければなりません。つみたてNISAには多くの商品が用意されていますが、中には手数料が高く、せっかく税金が免除されても効果が薄れてしまうものもあります。どの商品がよいのか自身の目でしっかり確かめるというのは、他の買い物と何ら変わりはありません。

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