ぽっちゃり体型のファッションエディターと、身長167cmゆえがっちり体型に見られがちなスタイリストのふたりが、Lサイズでもおしゃれを楽しむテクニックを紹介する企画。今回はLサイズならではのコートの選び方をお伝えします。
黒のロングコートを肩にかけて颯爽と歩いていたつもりが、黒くて大きい布みたいと言われて…
高橋:恥ずかしいからあまり大きな声で言いたくないんですが…トレンドのマキシ丈の黒コートを肩にかけて歩いていたときのこと。私の頭の中では“颯爽とかっこよく”というイメージだったのですが、家族に「後ろ姿、黒くて大きい布が歩いているみたい」と言われて(涙)。ぽっちゃりしていて体が大きいと、コート選びって難しいなぁと改めて感じた苦い思い出…。
門馬:そうなんですよね。面積の大きいコートは、特に後ろ姿がのっぺりとして、背中が大きく見えてしまうんですよね。だから、黒くて大きな布とか、大きな岩の塊に見えないようなコート選びを意識する必要があると思います。黒などのダークカラーは収縮色だから、着るだけで引き締まって見えるんでしょと思いがち。とりあえず黒のコートを買っておけば安心とおざなりにコートを選んだのでは絶対に失敗します。
高橋:だから、それ以来なるべくベルト付きのコートを選ぶようにしています。ベルト付きだと、ベルトでキュッと締めれば、ぽっちゃりなりにもメリハリを作れますし、ベルトを結ばない時も、ベルトをサイドに垂らしているだけで、後ろ姿がのっぺり見えるのを防げます。
門馬:もうひとつ大事なのは、硬すぎない素材の物を選ぶこと。これから紹介する3枚のコートは、一見しっかりして見えるかもしれませんが実際は柔らかで、ウールなどのコートの素材にしては薄手で、体のラインになじんでくれます。ごわごわとしている素材では、コートが体のラインに沿わず、体をより大きく見せてしまいます。
高橋:そうそう、素材も大事だって気づきました。その理由は少し長くなるのですが、紹介しますね。この企画でLサイズさんに合うコートを提案するならどんなコートがベストが考えていたんです。個人的な悩みでもありますが、ぽっちゃりしていると二の腕のハリが気になるもの。それをすっきり見せるには、コートの肩のラインが自分の肩の位置よりも下に落ちたドロップショルダーがいいのか、コートと肩のラインが合うセットインスリーブがいいのかをまず検討しました。実際にニットなどは、ドロップショルダーではない方が上半身がすっきり見える気がしていたので、最初コートもセットインスリーブを提案するのがよいのではと思っていたんです。
ですが、実際に門馬さんにコートを探してもらったら、トレンドの流れ的に、もうほとんどのコートがドロップショルダー。おしゃれ視点では、もうドロップショルダー一択だなと感じました。それでも念の為…と思って、どうにか見つけたセットインスリーブのコートを着てみたところ、どうしてもかしこまって見えるというか、やっぱり今どき感に欠けて見えるなと気づいたんです。私が目ざしているLサイズファッションとは、着やせしてすっきり見せたいけれど、それを狙いすぎてダサくなってしまうのはイヤだという考えのもとにあります。ほっそりとした体型の人と同じようにファッションを楽しみたいんです。
だから次に考えたのは、ではどんなドロップショルダーなら着太りしないかということでした。その答えが、門馬さんの言う「硬すぎない素材選び」だったんです。
門馬:共感してもらえてよかったです! では、Lサイズのコート選びの基準をクリアした、ベルト付きのソフトで軽やかなおすすめのコートを3枚と、その着こなしテクニックを紹介します。
おすすめのコート① プラステ
コート[色名:ダークネイビー]¥22000/プラステ ニット¥34000/スローン ストール¥27000/プレディー(グリニッジ ショールーム) バッグ¥9500/アドカラム(ロードス) スカート/ノーク、靴/ノーブランド、ピアス/インポート(私物)
門馬:裏地がないダブルフェイス素材の軽くて柔らかなウール混コート。大きめの襟が立体感も生んでくれます。フェミニンなスタイルが好きなので、スカートを合わせることも多いのですが、ツヤのあるプリーツスカートにすれば足元に動きが出てまったり見えず、のっぺり感をさらに払拭してくれます。
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