小中高の現場で本格化するアクティブ・ラーニング
2020年度から、子育て世代にとって切っても切り離せない「教育」が大きな変化を迎えます。「新学習指導要領」の導入により、「アクティブ・ラーニング」が順次、本格化するのです。
これまで日本の教育は、先生が喋ったことをひたすら生徒が板書する一歩通行の詰め込み型といわれてきました。確かに自分もそれをいいことに、先生が黒板に文字を書いている隙に友達と手紙を回しっこしたり早弁したりした記憶が……。
しかし来年度から順次導入されるアクティブ・ラーニングでは「主体的・対話的で深い学び」がテーマになっていますから、これまでのような受け身の授業ではなく、自ら問いを立て、対話などからその答えを主体的に探っていくことが求められるのです。
その一方で、アクティブ・ラーニングを受けてきていない親世代は、どうやって勉強を教えてあげればいいのやら……と、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひおすすめしたいのが、ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)で知られる哲学者・岸見一郎先生が、現役高校生と交わした白熱授業を収めた書籍『哲学人生問答』です。
予測不可能な時代を生き抜く鍵「答えのない問い」
この中で岸見先生は、これからの時代を生き抜くためには「答えのない問い」に真剣に考えることが必要だと説きます。
「世の中には答えが出ない問いがたくさんあります。そういう問い対する答えは、自動販売機にコインを入れたらガシャリとジュースが出てくるようには出てきません。そして、そういう問いについてまで考えることが『幅広い教養』です。『教養』はドイツ語ではBildung(ビルドゥング)といいますが、人間形成、人格を形作ることという意味です。(中略)
受験のための勉強も必要ですが、すぐには答えが出ない、それでも、自分の人格を形成することに資する勉強を是非してください」
そもそもなぜこのような教育改革がなされたのかといえば、未来を担う子どもたちが「予測不可能な時代を生き抜く術」を身につける必要があるからです。
実際、文部科学省は「情報化やグローバル化といった社会的変化が、人間の予測を超えて進展するようになってきている」とし、AI時代を生きるためには「自ら目的を設定し、目的に応じて必要な情報を見いだし、情報を基に深く理解して自分の考えをまとめ、多様な他者と協働しながら納得解を見いだす」……という、“人間特有の力”を磨いていくことがこれからの学習に求められているとしているのです。
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