ミモレで過去に公開された記事のうち、特にこの時季に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご一読ください。

みなさんの家のおせちの中で人気料理は何ですか? 料理家の本田明子さんが毎年つくるおせちの中で一番人気なのが「ローストビーフ」なのだそう。そこで、難しくなく、今の食卓で「おいしい」と喜ばれるおせちレシピを掲載した著書『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』から、ローストビーフの作り方を教えていただきました!

 

毎年最初になくなる人気ナンバーワン【ローストビーフ】

 

家族も友人も大好きで、我が家のおせちの中で最初に品切れになる人気ぶり。年末になると「作り方を教えて」とほうぼうから問い合わせがくるメニューです。
薄くしっとりとした状態に切るコツは、焼いてから完全に冷ますこと。かたまりのほうが日持ちするので、そのとき食べる分だけ切り分けます。

 材料(作りやすい分量)

・牛かたまり肉(ローストビーフ用)……500g
・塩……小さじ1/2
・こしょう……適量
・サラダ油……大さじ1
・しょうゆ……大さじ2
・わさび(またはホースラディッシュ)……適量

 作り方 

1. 牛肉は塩、こしょうをふってサラダ油をまんべんなく塗り、必ず室温に1時間~1時間30分おく。

 

2. オーブンは250℃に温めておく。
3. 天パンに①をのせ、オーブンで10~12分焼く(肉の厚さや好みの焼き加減に合わせて)。全体がこんがりと焼けたらオーブンに入れたまま20~30分、余熱に当てておく。
4. バットにしょうゆを入れ、③を入れて転がし、全体に味を染み込ませる。
5.冷めたらラップでぴっちりと包み、食べる分だけ薄切りにし、わさびを添える。

かたまりのまま冷蔵庫に入れておけば2~3日はおいしく食べられる。


お正月を含めた日本の行事は“食”とともに歴史を刻んできました。行事のたびに繰り返し作られるその家の食事のにおい、味、音……それらはすべて懐かしい心地の良い記憶として脳に刷り込まれ、受け継がれてきたことでしょう。かつておせちはそれぞれの家庭の個性にあふれていましたが、今、便利な時代になるにつれて、だんだんとどこの家でもお店で買ってきた同じような味を食べるだけになってしまいつつあります。

おせち料理は「面倒くさい」「難しい」と思われているかもしれませんが『おせち料理と季節のごちそう』で取り上げた料理のひとつひとつは、切る・煮る・焼くの基本的な技術で作れる、とてもやさしいレシピばかり。漬けておいたり、冷ましたり、何度か煮込んだりと、時間は確かにかかるのですが、のんびりと楽しんで作ってみてください。一品でも手作りがあれば、立派な「我が家のおせち」ですから!

本田 明子(ほんだあきこ)

料理研究家。1962年生まれ。20歳の時に料理研究家・小林カツ代氏に弟子入り。「小林カツ代キッチンスタジオ」に25年間在籍。多数の料理本のレシピ製作責任者として腕をふるう。2007年独立。現在は「本田明子キッチンオフィス」を主宰。小林カツ代氏の親しみやすく、家庭料理として極められた味を正統に継承しつつ、大らかで明るい人柄そのままの「本田流おふくろの味」で人気。NHK「きょうの料理」などテレビ出演、雑誌・書籍など幅広く活躍中。

 

『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』

著者  本田明子 講談社 1300円(税別)

近頃では、なかなか母から娘へと教わることもなくなってしまった「三段重の正統派おせち」。
「母料理」の第一人者・本田明子先生が、現代のお台所事情にあわせて改めて作りやすく解説した、一度きちんとつくってみたかった「正統派のおせち料理」から、お重すら持っていないけど、お皿に盛るだけでおせち気分を味わいたいときに作る「五品おせち」、余ってしまったおせち材料で作る甘味やバリエーションレシピまで。気分で選べる、おせち料理レシピを徹底解説。ほか、冬から春の季節行事の料理もたっぷり紹介。家庭行事料理の基本をすべて使い勝手良く一冊にまとめました。

『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>

構成/相場美香
写真/石澤真実
この記事は2018年12月26日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

 

出典元:https://kurashinohon.jp/846.html

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