新しい年を迎え、今年は投資にチャレンジしてみようと考えている人も多いのではないかと思います。昨年は年金2000万円問題などもあり、老後の生活に大きな注目が集まりましたが、これからの時代は、自身で積極的に資産形成するのはもはや常識と考えてよいでしょう。

 

このコラムでは以前にも少し触れたのですが、筆者は過去20年以上にわたってコツコツと株式投資を行い、幸いにして、今では数億円の資産残高になっています。今回は筆者が投資で成功した秘訣を皆さんにお伝えしたいと思います。

最初にお断りしておきますが、筆者の職業は経済評論家ですが、株式投資について特別な才能を持っていたわけではありません。実際、短期のデイトレーディングやバリュー株投資など様々な手法に取り組みましたが、ほぼすべて失敗し、ようやくたどり着いたのが、今も継続している有力企業に長期で投資するというやり方です。

確かに天賦の才がある人は、いきなり短期売買をやってもすぐに利益を出し、あっという間に多額の資産を作ってしまうのですが、これは天才だからできることであって、わたしたち凡人には決して当てはまりません。こうした天才のマネを安易に行うと確実に失敗しますから、よほどの覚悟がある人以外はやめておいた方がよいでしょう。

では長期投資に取り組むにあたって、何に注意すればよいのでしょうか。

筆者は、よい銘柄(企業)を素直に選択することと、絶対に休まずに投資を続けることの2つしかないと思っています。

健全に経営している企業であれば、長期の平均で年6%程度の株価上昇が期待できます。これは下落相場も含めた平均ですから、長く続けていれば、それなりの資産が作れるというのが長期投資の基本的な理屈です。20年、30年と投資を継続するのであれば、その間に倒産してしまうような銘柄を選ぶわけにはいきません。必然的に知名度の高い超優良企業を選択することになりますが、ここで先ほど説明した「素直さ」が重要な意味を持ってきます。

今はグローバル時代であり、日本企業の多くが海外市場で戦っていますから、株式投資についてもグローバルな視点が必要となります。ある分野で1社に投資するなら、圧倒的な業界ナンバーワン企業に投資すべきだと筆者は考えますし、実際、筆者はそうしてきました(筆者が投資してきたのは、世界の誰もが知る超有名企業ばかりです)。

ここで重要なのは、本当に著名で大きな企業を選択しなければならないということです。「日本では有名」ではダメなのです。日本経済の相対的な規模が小さくなっている今の時代においては、日本国内で大手といっても、グローバル市場では中堅企業に過ぎないというケースがザラにあり、これが落とし穴となる可能性があります。

 
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