スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

黒は強い個性をもち、そして着こなしの輪郭を作ってくれるので、どこかに使うと「印象は締まります」。ただし、繊細な色合わせや優しいイメージとは遠くなっていくので、ときに、「黒を使わない」コーディネートを心がけています。

 

例えば初対面の方が多いシーン。
髪や肌のコンディションが良く、黒の影に隠れたくない時。
黒や重い色に飽きてしまった時。

そんな日は、できるだけ有機的でアーシーな色を組み合わせて。例えばベージュ、カーキ、オフホワイト、ブラウンなど。自然界で近くに位置する色同士は相性が良く、合わせた時にも、美しくまとまります。さらに、コート――冬のコーディネートの一番外側に位置するアイテムを「黒以外」にすることで、その人自体が明るく見えるので、最近よくやっています♡

そして、先日見つけた「ベージュのデニム」。これがあれば、さらに「黒を使わない着こなし」が簡単になるなあ、と感じ入ったアッパーハイツのデニム。色出しに何年もかかったという「ベージュのデニム」なんです。色名はエタン。絶妙なグレージュで、この微妙な色を出すのに、本当に苦労をしたそう。デニムのようだけれど、デニムじゃないみたい。ミルクティ色のニットや、それこそ秋の景色のような色を集めたストールとも、きれいにストレスなくなじんでくれます。

この年末も、黒も楽しみながら、ある日はあえて黒に頼らないおしゃれを楽しみたいな、と思います♡

大草 直子

エタンはこんな色。我が家のグレーの色合いにも合います(笑)。アッパーハイツのリップスティックというモデル。
これも、ある日の黒を使わないコーディネー。コートはボッテガヴェネタ、スカートはガリャルダガランテ。バッグはアスプレイ、ブーツはファビアナフィリッピです。
本当に絶妙な色。デニム、と言われてもなかなか信じられないほど、繊細な色。全てアッパーハイツです。
ミルクをたくさん入れたカフェオレやミルクティー。ブルージーンズは夏っぽくなるから、グレージュのエタンで♡

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