人生100年時代と言われる昨今。長い人生をすこやかに楽しんでいくためには、周りに左右されない、自分だけの楽しみを見つけておくことが大切です。そこでオススメしたいのが、舞台鑑賞という世界。「観劇」と聞くとなんだかハードルが高そうに見えますが、いざハマってみるとそこはもう二度と抜けることのできない極楽沼。観たい舞台があるだけで、公演のその日までワクワクした気持ちでいられますし、観劇当日は朝から胸踊る心地に。いつもよりおめかしをして、いつもより華やかな気分で家を出ることができます。
当たり前の日常を、ほんの少し特別なものにしてくれるのが舞台の楽しさ。とは言え、映画やテレビドラマに比べて演劇は情報が少なく、何から観ればいいのか取っかかりが掴みにくいのもまた事実。実際、演劇作品の中には一度観ただけでは内容が理解しにくいものも多く、そこでつまずいてしまう人も……。
もっとたくさんの方に演劇の面白さにふれていただくために、今回は普段演劇にあまり馴染みのない方でも楽しめる2020年の新作舞台をチョイス。ぜひこれをきっかけに新しい扉を開いてもらえれば!
■2020年オススメの舞台<2.5次元編>
近年演劇界で革命的なブームを起こしているのが、漫画やアニメ、ゲームなどを原作とした2.5次元舞台。初めて演劇にふれてみるという方には、まずこの2.5次元舞台を入り口にすることを提案したいです。
なぜなら、2.5次元の原作となるのは、多くのファンを抱える人気作品がほとんど。特に、漫画を原作とした作品はビッグタイトルが多く、その面白さは折り紙つき。メジャー作品であればあるほど、ストーリーも王道のものが多く、これから演劇の世界に飛び込んでみたい方にはとっつきやすいものばかりです。
そんな2.5次元舞台の中から今回紹介するのはこの3本!
舞台「鬼滅の刃」
原作は、累計発行部数2,500万部(2019年12月4日時点)を記録した大ヒット漫画。今、少年漫画界で最も熱い視線を浴びる人気作品が待望の舞台化です。
鬼によって家族を皆殺しにされた少年・竈門炭治郎。唯一生き残ったものの凶暴な鬼に変貌してしまった妹・禰󠄀豆子を人間に戻すため、炭治郎は鬼との戦いに身を投じる……。そんな人間と鬼との壮絶な死闘、そこに込められた悲痛なドラマが「鬼滅の刃」の魅力。まずはこの絶望と希望の物語をどれだけドラマティックに舞台化できるかにファンの注目は集まっています。
その上で、鬼との超人的なバトルをどのように舞台というアナログな世界で表現するかが、本作最大の見どころ。映像作品ならCGやワイヤーアクションを使えば、炭治郎たちの剣術や鬼たちの血鬼術もいかようにでも表現できます。けれど、舞台はプロジェクションマッピングなど多彩な演出効果はあるものの、あくまで生身の人間がベース。あの残酷なまでに血生臭い戦いの描写に、どこまで俳優たちが迫れるかに、作品の成否が託されています。
「水の呼吸」など少年漫画らしい必殺技も多数。初の舞台化だけに、その完成形はいまだ未知数です。けれど、スクリーンやモニターなど隔てるものが何もない劇場という空間で繰り広げられるアクションの数々は、きっと肌が粟立つような迫力と興奮をもたらしてくれるはず。
残念ながらすでにチケットは入手困難状態ですが、2月2日(日)の大千秋楽は全国の映画館 でライブ・ビューイングも決定しているので、興味のある方はまずはライブ・ビューイングから演劇の世界を体験してみることをオススメします!
原作:『鬼滅の刃』吾峠呼世晴 (集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本・演出:末満健一
出演:小林亮太、高石あかり、植田圭輔、佐藤祐介、佐々木喜英 ほか
東京公演:2020年 1月18日(土)~26日(日) 天王洲 銀河劇場
兵庫公演:2020年 1月31日(金)~2月2日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
https://kimetsu.com/stage/
「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー)
こちらも原作は、累計発行部数2,500万部(2019年12月時点)を突破した大人気漫画。12月20日(金)から劇場版最新作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が公開されるなど、その人気はとどまるところを知りません。
舞台(通称「ヒロステ」)は、2019年春に初演。ヒーローに憧れる少年・緑谷出久(みどりやいずく)が、ヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、一人前のヒーローを目指して成長していく姿を描き、多くの観客から喝采を浴びました。今回の新作では、出久のクラスメイト・飯田天哉(いいだてんや)の兄を襲った〝ヒーロー殺し〟ステインとの対決を軸に、さらにパワーアップした「ヒロステ」の世界を見せてくれるはず。
初演を拝見しましたが、本作の魅力を一言で言い表すなら「エネルギッシュ&エモーショナル」。俳優たちの熱いエネルギーが舞台上から客席めがけて大放出。その胸揺さぶる輝きに、観客の心もアドレナリン全開。最初から最後まで一瞬も気持ちが冷めることのない極上のエンターテイメントに仕上がっていました。
原作の「ヒロアカ」自体が、ヒーローものでありながら、未熟な少年少女の青春を活写した学園グラフィティという要素も持っていいます。その魅力は舞台でも同じ。ヒーローになりたくてがむしゃらになる登場人物たちの心情と、若き俳優たちのパッションが奇跡のシンクロを起こし、観客までもが板の上で生きているキャラクターたちに自分を重ねてしまうような圧倒的な吸引力を放っていました。
劇場全体の温度を引き上げるようなエンタメ力はきっと今回も健在のはず。チケットの一般発売は2月2日(日)の10時から。プレミアムチケットになることはほぼ間違いなしの話題作。ぜひ争奪戦を勝ち抜いて、この感動と熱狂のエンターテイメントを一度体感してみてください!
原作:堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
演出:元吉庸泰
脚本:西森英行
出演:田村心、小林亮太、竹内 夢、猪野広樹、北村諒 ほか
東京公演:2020年3月6日(金)~22日(日) 品川プリンスホテル ステラボール
大阪公演:2020年3月27日(金)~4月5日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
https://heroaca-stage-2020.com/
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