我が家の子どもたちは基本的に、学校・幼稚園は別のところに通っています。日本にいる間は保育園も別々でしたし、シンガポールに来てからほんの9か月だけ同じ幼稚園に通うことができたものの、今はまた別々。それが今年、兄のいる小学校のプレ部門に妹が入れる年齢になったので、申し込みをしようかと思っていました。今は休みもバラバラで行事もバラバラなので、同じ場所での共有体験があるのもいい思い出になるかもしれない、と。

でも、時にあまりにも激しい兄妹喧嘩をしてお互いを「世界でいちばん、ばかばかばか!」「じゃあ世界でいちばんバカの妹だね!!」「ちがうーーー!!」と言い合っている彼らに、私が最近思うのは、「ばかばか」くらいなら可愛くていいけれど、このままじゃお互い本当に憎しみ合っちゃうんじゃないかということ。

一緒に遊ぶ仲睦まじいきょうだいというのは極めて理想的な姿ではあるものの、きょうだいって偶然同じ家に産まれ落ちただけで、相性があうとは限らないし、四六時中いつもいつも一緒にいないといけないと強いる必要はないかなと思ったりもします。

行事が同じ日であれば、どうしてもどちらかを優先させないといけない時間帯があったりする。休みが重なっていると通常は兄の友達と遊ぶ予定を入れることが多くて妹はその付き添いになりがち。そういう、一緒にいることによる我慢は平日週5日の放課後と土日週2日の終日でやっているのだから、たまの休みくらい2人の行動がずれていてもいいかという気がして、娘を転園させて兄と一緒の学校に入れるということはやめました。

 

四六時中一緒にいることが家族がうまくいく秘訣ではない。これは、親子にも夫婦にも言えることかもしれません。専業主婦として子どもと長い時間を過ごせなくても、罪悪感を覚えなくていいと思います。「出張から帰って会う子どもの可愛さったら!」みたいな瞬間ってありますよね。うちもちょっと離れてそれぞれの世界に行って戻ってきたあとの兄妹はとてもお互い思いで優しい……気がします。家族にだって、ほどよい距離感というものがある。

子どもに100%の時間を割けないことに罪悪感なんか植え付けていたら日本の人口減少は解ナシ。年末年始も終わり、さぁそれぞれの世界へ旅立ち、また戻って来る場所で羽を休める……でいいではないですか。冬休み明け、さぁ子どもも大人もそれぞれの場所で、頑張ろう。

「伊藤詩織さん訴訟と教師わいせつ事件の共通点。「認知の歪み」を社会が強める日本の絶望」はこちら>>

 
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