② 隙間時間には「立ったり座ったりスクワット」


「シドニー大学が世界20カ国を対象に、平日に座っている時間を調べたところ、なんと日本人がトップでした。私たちは平均で1日におよそ400分、つまり7時間も座り続けているのです(Am J Prev Med. 2011;41(2)228-35)。
また、別の研究では、1日6時間以上座っている人は、3時間未満の人と比べて、早期死亡のリスクが19%高くなるそうです。死因別としては、がん、心疾患、糖尿病、腎疾患、 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺疾患、肝疾患などが挙げられています(Am J Epidemiol.2018;187(10):2151-2158.)」

とはいえ、デスク作業は現代人にとって避けて通りにくいもの。大谷先生も、いざ診察に入れば座りっぱなしになってしまうと言います。
そこで大谷先生は、「ふと気がついたときに、立ち上がったり座ったりを繰り返す」んだそう。

「患者さんに、『お大事にしてください』と声をかけて、診察室を出られたら、次の患者さんが入って来るまでのわずかな時間を利用して、立ち上がったり座ったりするのです。この要領で、トイレに行く前後や、電話中などにも同様に行います。
こんなふうに、こまめに『立ち上がって座る』を繰り返していると、1日100回はできると思います。これだけやれば、塵も積もれば何とやらで、スクワット数十回分の運動量にもなるでしょう」

30年以上病気知らずの名医の習慣5つ。昼寝と散歩と何?_img0
座りっぱなしは体に悪いので、 こまめに立ったり座ったりを繰り返す

3分という時間すら惜しい時もありますが、これなら身構えることなく、いつでも取り入れられそうですよね。
また、デスクを離れなければいけない用事を一回にまとめて済ませてしまうのではなく、あえて分散させることで強制的に「立ったり座ったり」する時間を増やすこともできそうだなと思いました。
 

 

③ 昼休みに15分の昼寝、10分の散歩


「ランチを手早く済ませたら、15〜20分、昼寝をします。これだけで、1日の平均血圧が下がり、脳卒中、心臓病リスクを下げることができます。これはギリシャの心臓専門医が2019年に米国心臓病学会で発表した研究結果です(Sleep. 2003;26(2):117-26.)。
昼寝を終えたら、10〜15分、散歩に出かけます。特に何をするわけでもなく、ただぶらぶら歩くだけで、健康効果が得られるのです。 散歩で得られる効用としては、日光を浴びられること。日光を浴びると、体内でビタミンDが生成され、骨粗鬆症の予防になります。骨の材料は主にカルシウムですが、その吸着にはビタミンDが必要となるのです。また、日光によるビタミンDの生成は、風邪や呼吸器感染症(BMJ. 2017 Feb 15;356:i6583.)、肺炎、インフルエンザ(Am J Clin Nutr. 2010 May;91(5):1255-60.)などの予防だけでなく、がんの死亡率の低下にもつながります(BMJ. 2019 ;366:l4673.)」

たしかに頭がぐわんぐわんするほど眠い時は、ほんの少しの時間でもカッと寝てしまったほうが、頭もスッキリしますよね。
大谷先生は椅子を2つ繋げて寝ているそうですが、慣れているので特に体も痛くならず、リラックスして熟睡できるそう。
このように、どんな態勢でも自分が気持ちよく寝られればOKだそうですが、長くても20分で切り上げるのもポイント。これ以上長く寝ると逆に疲れてしまうそうなのでご注意を。
また散歩による日焼けが気になる方は、手のひらを日光に当てるだけでも効果があるんだとか。