わが家の性教育は手遅れ?! 焦った時の頼れる情報サイトがオープン
日本でも徐々に浸透しつつある、「性教育は幼児期から始めるのが肝心!」というグローバルスタンダード。もちろん、それを実践できればベストですが、ミモレ読者に多い40〜50代は、思春期のお子さんがいる方も多い印象。「もう手遅れかも…」と焦っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、そんなみなさんを始め、 性教育や性そのものに疑問のある方にもおすすめしたい、新しいメディアをピックアップ! その名も“性を知る”『セイシル』は、昨年12月にリリースされた中高生向けの性の情報サイト。その内容は、実際に若者から寄せられた性のお悩みに産婦人科医や泌尿器科医など約30名の専門家が答えるQ&A方式の記事が中心。リアルな若者の性に向き合う信頼できる情報源として、子どもたちに正確な知識を届けられるのはもちろん、私たち自身の性のリテラシーをアップデートしたり、これから性教育をスタートしたい大人が子どもへの伝え方を学びたい時にも大いに役に立ってくれそうです。
早くもSNS上では話題を呼んでいますが、実は、私たちのように思春期の子を持つ親にこそ、待ちに待っていたメディア。運営会社のTENGAヘルスケアに伺った、こだわりのポイントとともにご紹介します。
都市伝説がまかり通る、若者の性知識の貧しさに危機感
株式会社TENGAヘルスケアは、「性の健康サポート」を目指して2016年に設立。さらに母体となるTENGAグループは、「性を表通りに 誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンのもと、これまで性にまつわる幅広い製品リリースと啓発活動を続けてきました。その結果、同社には多くの性の悩みや質問が寄せられるようになったそうですが、さまざまな悩みを聞いていくなかで、若者の性知識の貧しさに驚いたことが『セイシル』立ち上げのきっかけとなったそうです。
たとえば、TENGAヘルスケアでは男性の膣内射精障害※1を改善するための製品を出していますが、泌尿器科医と情報交換するうち「最も大事なのは予防である」という結論に至り、障害の要因とならない適切なマスターベーション教育の必要性を痛感。
また、10〜20代前半の女性からは「膣をコーラで洗浄すると妊娠しないって本当ですか?」「乳首が茶色いのでセックスする自信がありません」といった質問や相談が寄せられたこともあり、そんな都市伝説レベルの言説がまかり通っていることに衝撃を受けたことも。
さらに、TENGAヘルスケアのTwitterには、性体験のない子から「友人から『両思いならセックスしなきゃ』と言われるけど、私はまだしたくない。するべきですか?」というメッセージが送られてきたことも。セックスするかしないかを自分で決め、相手に伝えることは、この先、恋人や夫婦関係を築いていく上でもとても重要なこと。真摯に向き合おうとしている子どもたちを応援してあげたいという気持ちが強くなっていったと言います。
『セイシル』に届いた子どもたちからのお悩みは、すでに300件以上。現在は、NPO法人ピルコンの染矢明日香さん監修のもと、「処女膜って何ですか?」「セックスは何歳からしていいの?」「同性を好きになっちゃいました」「痴漢にあったときの対処法」など、特に思春期に多そうな悩み40件を記事にしています。目標は今年度中に100件掲載すること。今後も悩みが増え続ける限り、更新されていく予定です。
もっとも閲覧数の多い記事は「女性のマスターベーション」
『セイシル』では、性の専門家でさえも正しい情報を発信しにくいと言われる“マスターベーションの啓発”にも力を入れています。それは、マスターベーションのサポートアイテム開発の先駆者であるTENGAならでは。何より、養護教諭や学校に外部講師として招かれる助産師など性教育の現場から「マスターベーションの説明は難しい。TENGAで情報ソースを作って欲しい」という要望が多かったのだそう。
マスターベーションの情報を伝えるために、特にこだわったのは以下の3点。
① 説明の際に重視すべきポイントを男女で変えた
② 身体の構造をイラストで示し、具体的な方法を説明
③ 複数の素朴な疑問に答えられるよう、会話形式に
なかでも①は、男女間における“マスターベーションとの距離感”の差を意識した、読みやすさへの工夫。女性の場合は、まず行為自体に罪悪感やみっともなさを感じてしまうため、「恥ずかしいことではないよ」という説明から。一方、男性は、将来的に膣内射精障害につながらないよう、不適切な方法について詳しく警鐘を鳴らしています。
結果的に、サイトオープンからの2ヶ月間で最もアクセス数が多かったのは「女性のマスターベーション」に関する記事だったそう。本来、マスターベーションは、男女双方にとって、自分の快感を把握できるセックスのウォーミングアップ的な役割も。また、とりわけ女性にとって、自分の性欲を当然のこととして肯定する感覚を身につけておくことは、将来、相手とスムーズに意思疎通するためにも必要なことかもしれません。
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