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『夫のHがイヤだった。』豊かなセックスをかなえるものとは?【試し読み付き書籍紹介】

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アメブロのメンタルヘルス部門で1位を獲得した人気ブログを書籍化した『夫のHがイヤだった。』(Mio著/亜紀書房刊)。

同書は、10年以上もの間、夫婦の性生活に苦悩し続けたミオさんが、セックスで深く傷つき、同じセックスという行為によって再生していくノンフィクション。

新婚当初から「愛する夫との性生活がうまくいかないのは自分の身体のせい」と悩み続け、そのストレスと夫のモラハラ的な態度が原因で心身のバランスを崩してしまったミオさん。ますますセックスから遠ざかり、ついには夫婦関係も破綻してしまいますが、その後、彼女はあることをきっかけに、これまで得られなかったセックスの豊かさを知り、自己肯定感を取り戻していくのです。

3週連続でお届けしてきた、試し読み付き書籍紹介。最終回は、豊かなセックスをかなえる要素について考えながら、ご紹介させて頂きます。

 


大切に扱われることで得られる快感は、心と身体を肯定する
 

心身ともに追い詰められたことで、ようやく「実はあなたとのセックスが好きじゃなかったの」と夫に意思表示することができたミオさん。肩の荷が下りるような安堵感を覚えた一方で、夫婦関係は修復不可能な状態に。夫は、不倫をした末に離婚を切り出すようになり、彼女はついに娘を連れて家を出て行きます。

 

しかし、「夫婦が壊れたのはセックスが上手くいかなかったから」との思いを拭い切れずにいたミオさんは、偶然入った本屋で「“愛”を過信してはいけません」という見出しに衝撃を受け、セックスについて書かれた1冊の本を手に取ります。そこに書かれていたのは、「愛のあるセックスが気持ちいいとは限らない」「愛とセックスを結びつけ過ぎると、気持ちよくなかった場合に“愛がない”と考えてしまう」「セックスで愛を伝えるには、知識と技術が必要」といった言葉の数々。彼女は初めて、これまでのセックスが“愛”とガチガチに結びつけられていたことに気づいたのです。

この本との出会いを機に、ミオさんは豊かなセックスを追求し始めます。前述の本の著者のモニターとなって、彼が提唱するセックスを体験したり、新たなセックスパートナーと関係を築いたり。彼女はそれらを通して、「大切に扱われ、相手を信頼できると、それは快感につながる」さらに「そのように得られた快感は心と身体を肯定し、人生を変えるほどの原動力にもなり得るのだ」ということを実感していくのでした。

(この男性は、私の身体を大事に扱ってくれている)
 その事実がとてもうれしかった。その手が胸に触れているときも、彼が見ているのは私の全身、そして顔。この触り方で私が感じるかを、感じていないならどう触れればいいかを毎秒ごとに考えてくれる。
 彼の頭には「いま目の前にいる女性が大事だ、気持ちよくしたい」という考え以外ないように思える。それが私への、最大の敬意となっていた。(P168より抜粋)


無防備な姿で向き合うセックスでは、普段以上に相手の感情や動作に敏感になるもの。そんななか、「大切にされている」と感じる(または相手に感じさせる)ために必要なこととは何でしょうか?

「相手を大切にしている」と表現するには、子育ての場面と同じように、相手の様子を観察し、感情を汲み取りながら優しく触れることが肝心かもしれません。特にタッチには、幸福ホルモンと呼ばれるオキシトシンを分泌させる作用が。それに加えて、ミオさんが体験した自己肯定感につながるセックスでは、相手の男性は、まず彼女の話に耳を傾け、じっくりと会話をすることで心を寄り添わせることを大事にしていました。

イギリスの動物行動学者デズモンド・モリスによれば、人と人とがスムーズに関係性を深めていくためには、12段階の行動を順に追っていくことが肝要だそう。最初は目を見つめ合ったり、会話を交わしたりするところからスタートし、徐々に手をつないだり、身体と身体を触れ合わせたりして距離を縮めていくと、その先のセックスという行為にたどり着くのです。もちろん、夫婦はすでに親密な関係があるのが基本ですが、案外、日々の生活では、目を合わせないまま返事をしていたり、諸連絡以外の楽しい会話を交わす時間がなかったりすることも少なくないのではないでしょうか。日頃から、セックスの前段階であるコミュニケーションを深めておくことで、セックスをする際の悦びの大きさや幸福感は変わってくるに違いありません。

過去記事に掲載された「中高年のセックス実態調査」では、40〜70代の夫婦では「セックスにかける時間は10〜20分」が約6割という結果も。1回のセックスに充分な時間を掛けるのはもちろん、夫婦であれば、子どもが寝静まった後や休日にふたりで楽しむ時間を作るなど、夫婦関係を丁寧に維持していくことが、豊かなセックスをかなえるカギとなりそうです。
 

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Mio
大阪府生まれ。大学で知り合った同級生の男性と22歳で結婚。夫との夫婦生活が苦痛で、自分はセックスができない身体なのではないかと悩み、摂食障害とうつ病に。その後、セックスレスを理由に夫から離婚調停を申し立てられ、別居を経て離婚。2017年の冬からアメブロに当時を振り返る手記を連載し、大きな話題を集める。現在は、税理士・行政書士・カウンセラーとして、女性起業家のサポート・離婚業務を中心に活動している。

 

『夫のHがイヤだった。』(Mio著/亜紀書房刊)

文/村上治子

前回記事「 『夫のHがイヤだった。』セックスは「夫婦の条件」なのか?【試し読み付き書籍紹介】」はこちら>>


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