スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。
あ、別に「特別な何かがあったわけではないんです」(笑)。「ママだって、泣きたいよ!」とうフレーズを使ってみたかった。いや、もちろん母親に限らず、頑張っている女性、男性も。時に、持っているものを投げ出したり、誰かの肩に寄りかかったり。ただただ話を聞いてもらいたかったり、大声で泣いたりしたいだろうなあ、と思って。みんな、そんなときどうしているんだろう。
友達と会ったり、パートナーと飲んだり。踊ったり歌ったり、もしかしたら泣ける映画を観たり、読書に没頭したり、美味しいものをひたすら食べたりするのかな。
とここまで書いて思いました。
特別な何かはなかったけれど、私にも、きっと小さな何かはあったんだな(笑)。
例えば子育て。様々なところで書いてはいますが、子供と親の人生は全く別のもの。親の人生、という大きな風船(経験値が高いから)と、まだまだ経験が少ない小さな子供の風船は、あるときぶつかったり離れたりしながらも、2つ存在しています。小さな風船は大きな風船の一部ではないのです。
私達親が、人間の先輩として教えることは、人としてのベース(食事をしっかり摂ることとか)と、とても大事なのは「自分を認め、愛していくこと」。親と子の時代感もカルチャーも全く違う今、あまり親の定規だけで計らないようにしています。受け渡す財産は、健康な身体と心、そして語学という自由な翼だけ。以上(笑)。と、自分なりの子育ての哲学(フィロソフィー)はあるし、それが決して揺らぐことはないけれど。3人を育てる中で、私自身も迷い悩み、そしてときに傷つきながら出てくるのが、「ママだって、泣きたいよ!」ですよ。
思い通りにならないとか、お友達とケンカしたとか、成績が悪い――なんていうことでは出てこないフレーズ(笑)。「もっともっと自分を信じてあげて欲しい」、「もっと自分は素晴らしいんだと愛してあげて」がなかなかうまく伝わらないときです。これが自然にできる子とできない子がいるんですね。身体的な成長と同じく、心の成長もその子その子によってスピードは違うから、親としては声かけをするしかないのですが。
19歳の長女と14歳の長男、9歳の次女。みんな違ってみんな良いし、親だってそう。風船は時にしぼんだりしながら、少しずつ大きく強くなるように努力している。たまに、子供の前で
言ってみようかな(笑)。「ママだって、泣きたいよ!」って、こんなときどうしていますか??
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