「雑誌「ヴァンテーヌ」がもし、2020年にあったなら?」という記事にたくさんの反響コメントを頂いております。ありがとうございます!
大草ディレクターの先々の特集を相談しているときに、秋頃だったのでしょうか、やってみようかということになりました。いまだにファンの方が多いだけに「勇気がいるよね~(笑)」と思いながら。
休刊になって10年以上経ってもなお人の心をこんなに熱くさせる「ヴァンテーヌ」とは何だったのか。いま「ヴァンテーヌ」を取り上げる意味は何だろう。
「ヴァンテーヌ」を読んでいた人はもちろん、読んでいなかった方にも読んで頂ける記事になること。そこを大切にしなければ。そう思いながら企画をスタートさせました。
実を言うと私が「ヴァンテーヌ」を読みだしたのは、1999年に講談社に入社してからなんです。配属された「FRaU」でファッション班に配属されていわゆる〝競合誌〟として読むようになったんですね。「ヴァンテーヌ」のブレない世界観、ファッション理論、おしゃれを通じて生き方を説く姿勢、ずっと心にしまっておきたくなるような熱くきらめく言葉の数々。駆け出しの編集者から見る「ヴァンテーヌ」は美しい城のように気高くそこに立っていて、その隙のない雑誌作りからいつも学ばせて頂いていました。
でもなぜ、私は入社する前「ヴァンテーヌ」を通ってこなかったんだろうと思って考えたのですが、学生時代はTVドキュメンタリーのディレクターと雑誌編集の両方に興味があって、主に新聞や「AERA」などの週刊誌や「COSMOPOLITAN」を読んでいたんですね。頭でっかちで今思い出しても恥ずかしいあの頃(汗)。
創刊から数年後には「ヴァンテーヌスタイル」を決定づける「甘辛バランス特集」が登場。おしゃれにおける甘辛理論は、「ヴァンテーヌ」の発明だったんですね…!!そのときの雑誌も見つけましたが、詳しくは第二回以降の特集記事に譲ろうと思います。
白シャツやカシミヤのニットや紺ブレなど、普通の服をおしゃれに着る「ヴァンテーヌスタイル」は、現在でも十二分に通用するもので、「おしゃれの教科書」としては、今なお他の追随を許さないものがあります。
そしてこれは「スタイルのあるおしゃれ」「サステナブルなおしゃれ」が求められる今の時代に、また新しい気持ちで受け入れられるべき価値観でもあるように思えます。「ヴァンテーヌ」を読んでいた人にも読んでいなかった人にも、今改めてこの特集を届けたいと思ったのはそんな理由です。
もう一つ。「ヴァンテーヌ」が多くの人の心を捉えたのは、「おしゃれを考えることは、生き方を考えること。そして、それは誰かが決めてくるものではなく、自分で決めるもの」と毎号繰り返されたメッセージなんじゃないかな。
休刊して10年以上だった今でも、こんなにたくさんの人の胸を熱くさせるなんて本当に凄いことですよね。ちなみにミモレ読者の方は何年代の「ヴァンテーヌ」を何歳くらいの時に読んでいましたか? よかったら教えてください!
しかし雑誌研究ってやはり楽しいです。好きだった雑誌を持ち寄って集まったら何時間でも話せそう。いつかやってみます??
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