昨日、【大草直子のヴァンテーヌ考】2020年の“甘辛バランス”とは?の記事を公開しました。

現在当たり前のようにファッション記事でよく目にする“甘辛バランス”という言葉ですが、これは雑誌「ヴァンテーヌ」が発祥だったことを、私も今回の企画で初めて知りました。

圧巻!「ヴァンテーヌ」の甘辛バランス特集に度肝を抜かれる_img0
初めて「甘辛バランス」が特集されたのは1991年。
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「甘辛バランス全書〜大好きな辛口スタイルを可能にするマニュアル」とあります。ヴァンテーヌスタイルとは「甘辛バランス」であると確信し、徹底的に分析して読者に分かるように示そうという決意が伺えます。
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度肝を抜いたのはこの見開き。ほとんど文字! おしゃれについて考え抜いた結果「すべては甘さと辛さのバランスだった」と宣言、まるで公約のように「ヴァンテーヌ的おしゃれの結論」を6つ示しています。
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テーラードジャケットに端正なパンツ、ワントーンの色使いとキリッとしたシャツ。辛口の主体になるアイテムはそのまま現在に通じるものですね。
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さらに圧巻なのは甘辛バランスにおける「辛度」の研究。コーディネートについて、一つのアイテムも、それがコーディネートの中で果たす役割を言葉で説明できないものはない、そんな大草ディレクターのルーツをここにはっきりと見ることができます。
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創刊3周年を迎えた1992年。雑誌のキャッチコピー(左上)がそれまでの「20代のおしゃれを鍛える」から「意志のある『スタイル』,ルールのある『おしゃれ』」に変わっています。「『25ans』ではない、普通の服をおしゃれに着る、クラスカジュアル」を体現する媒体としてスタートした「ヴァンテーヌ」でしたが、創刊3年で辿り着いた「雑誌の魂」は強くて分かりやすく、そして年齢や時代を超えた普遍性があります!
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こちらの特集では、「辛口主義」とは決して「服の印象が辛い」という意味だけではないーー。どうなりたいかをイメージして、何を選び取ればそうなれるかを考え、流行や人の意見に左右されない「スタイル」を持つことこそが「辛口主義」なのだということを、見開きを使って説明しています。
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この号のタイトルは「わかり易い甘さより、深みのある辛さが好き」。「甘辛バランス」をはじめとする理論的なおしゃれのセオリーは、生き方のセオリーにもなっており、そこが今なお多くの人の心を熱くする理由なのではないでしょうか。

雑誌「ヴァンテーヌ」は2007年に休刊になりましたが、「スタイルのあるおしゃれの求道者」的な雑誌作りは、時代が一周回って今っぽく、「ヴァンテーヌ」を読んでいた人はもちろん、読んでいなかった人の心の鐘もカランコロン鳴らしちゃうような普遍的な強さがあると感じました。

「ヴァンテーヌ」のバックナンバーを揃えていて、なおかつ一般の人が閲覧できる場所は今では国会図書館しかないようです。

なので実際に読んでいた皆さんの証言はとても貴重!ミモレの記事もそうですが、ご自身のSNSやミモレのコメント欄でそれを世に残すこと自体も、全体的なおしゃれへの貢献になるのではないかと思います。

前回記事「「ヴァンテーヌ」を読んでいなかった方にも!」はこちら>>