「Jビューティ」というワードを聞いたことはありますか? 「Kビューティ(韓流コスメ)」に対しての日本ビューティという意味ですが、“チャイボーグ”や“オルチャンメイク”のようなメイクトレンドではなく、日本製コスメを総じて使われています。

Jビューティの評価は、アジア諸国からはもちろん欧米にいくほど高く、とくに美白ケアやUVケア、ベースメイクなどの得意分野は、サイエンスと先進テクノロジーのおかげで確固たる地位を獲得。また、厳しい日本の薬事法により、品質の高さと機能性、衛生面などは世界トップクラスと評価されています。

ただ、SDGs(持続可能な開発目標)やサステナブルの流れが押し寄せてきてからは、Jビューティそのものの定義も変化しつつあるよう。ここ数年で俄然、注目されるようになったのが、国内栽培、国内採取した植物由来成分やその効果です。

たとえば、アルビオンは、世界遺産の白神山地の麓に有機畑とラボを所有し、製品に配合。
 

地産地消の意識が「Jビューティ」躍進の秘密【美容エディター安倍佐和子】_img0
世界遺産である白神山地の麓にある保育園だった建物をそのまま研究所に再利用しているアルビオン。
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ここで有機栽培される2種のよもぎは、大ヒット中の発酵化粧液、フローラドリップ(¥13000)にも配合されている。

SHIROは北海道産のがごめ昆布を製品化。

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北海道産がごめ昆布のとろみ水で作った、がごめ昆布シャンプー(¥3600)と、がごめ昆布美容液(¥5500)。がごめはとろみが強く、バリア機能に優れた効果が。ともにSHIRO

THREEは日本各地をまわり、国産の稀少な植物由来成分を厳選配合。また、地域密着型で有機栽培による原料を独自に開発、栽培から製造までを手掛けるアムリターラや華密恋などをはじめ、Jビューティを支えるブランドは確実に増えていますし、信頼感もまたアップしているのです。

 

日本人が和食と相性がいいように、日本人にとってなじみがあるのが日本産原料なのでしょう。肌につけるものですから化粧品は食材選びと同じだと考えたら、地産地消という意識もあり。今後、Jビューティは、私たちの関心とともにさらに進化、大きなうねりとなっていくのだと感じています。
 

構成/川端里恵(編集部)

 

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