スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。
ミモレ創刊時に書いた、おしゃれ更年期のこと。度々コラム内に登場させた言葉だけれど、そのおしゃれ更年期を詳しく説明するエピソードとして、「突然に黒のタートルニットが似合わなくなる朝」を書きました。はい、「フェリスはある朝突然に」←ご存知の方は、私と同じ年代ですね の名タイトルを真似しましたが、そう。マットな素材感で、肩のシルエットや肩の厚みをつまびらかにしてしまう黒のタートルニットが、5年前の自分と今の自分の違いを、とてもはっきりと表してしまうタイミングが必ずくるのです。これがトレンチコートやネイビーのジャケットなんかでは測れないのですが、黒のタートルニットだと一発で。
それと同じように、ボーダーのTシャツなんていうのもあるなあ、と思います。イマイチしっくり来なくて、2年くらい着ない時期もありましたが。また昨年くらいから復活。首が痩せ、デコルテがさらにそげたからか、何だかまた違う感じに好ましい。私のような少年体型、もだし、グラマラスで女性らしいボディラインにもよく似合う。
そう考えると、着られないものはあまりないと思っていた20代よりも、シンプル一辺倒でなんとなくサマになっているように考えていた30代よりも。似合うものがはっきりし、一度距離を置いていたアイテムと再会したり。40代の今のおしゃれの、なんとエキサイティングなことか。あと3年で50歳。新しい10年の50代は、またシンプルに戻るのかなあ、という予感。楽しみだ!
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