多くの女性が憧れる人気美容家、神崎 恵さんがミモレに初登場。先月発売になった著書『服が似合う顔が欲しい』はもうご覧になりましたか? ミモレエディターが読んだ瞬間、グッと心を掴まれ感動した「はじめに」の部分を特別に公開いたします。ぜひご覧ください!
 

神崎 恵さんが提言! 「完璧にメイクをすること=おしゃれ」ではない

神崎 恵
1975年神奈川県生まれ。3人の息子をもつ母。 16歳の時、原宿でスカウトされ芸能界デビュー。 同年、週刊ヤングジャンプ「全国女子高生制服コレクション」にてグランプリを受賞。 20歳で芸能活動から引退し23歳で結婚、出産を経験。 24歳の時にママ雑誌の読者モデルとなり、このころから少しずつ美容を仕事にすることを意識し始める。 その後、第2子を出産するも29歳の時に離婚。仕事や育児、住む所など様々な問題に直面しながらも、絶対に2人を幸せにしてみせると固く決意する。 読者モデル時代に出会った編集者から、美容の知識が豊富にあることを見いだされたことが大きなきっかけとなり、さまざまな美容関連のスクールに通い続け美容家を目指す。 薬局などで買えるプチプラコスメをblogやSNSなどで紹介することで話題となり、メイクセミナーやイベントを数多くこなし人気が出始める。 その後、再婚し第3子を出産。 現在は、家庭第一としながらも美容誌やファッション誌を中心に毎月数多くの雑誌、イベントなどで活躍中。また、アパレルブランドとの商品開発など、女性のかわいらしさを引き出すアイテムのプロデュースも行っている。《Instagram》megumi_kanzaki

 

わたしはずっと「服」や「おしゃれ」というものにコンプレックスをもっていた。
わたしの小柄な体型や、丸みをおびた顔やパーツは、どんな服を着てもどこか野暮ったく見えるのをいろんな場面で実感していた。
さまざまな服で試行錯誤を重ねても、それはまったく解消されず、コンプレックスはさらに色を濃くしていたように思う。

何をしても垢抜けない自分。それはきっと体型や顔のせいで、もうどうしようもないことだ、と自分を納得させようとし始めていたとき、思いがけない瞬間があった。

いつものように仕事へ向かう準備をしていたある日、次男の学校から予定外の電話があって支度をする時間がなくなり、日焼け止めに濃いめの口紅だけという、1分もかからない究極のシンプルメイクで出発することになってしまった。
でもこれが、わたしのメイクやファッション、おしゃれというものの概念をひっくりかえしてくれた。

その日、着ていたのは、柔らかな素材がほどよく体に沿う黒のオールインワン。ハンサムさの中に女っぽさも感じさせるシンプルな1着。これにその究極のシンプルメイク顔が絶妙にフィットした。

仕事場でも、面白いくらいに反応がよく、メイクさんやスタイリストさん、カメラマンに編集さんと、お会いするひとに口々に、
「なんか、女っぽくていいね」
「かっこいい! 今っぽい!!」
と、おせじでも嬉しくなる言葉をたくさんもらった。

たしかに鏡の中の自分はいつもより力が抜けていて、いい具合の余裕があり、顔が服を、服が顔をさりげなく引き立てあっていた。

雑誌の中のモデルや、まわりのおしゃれなひとたちがまとうあの独特の「しゃれた空気」を、ほんのちょっとだけ感じることができた。

不思議な体験だった。
自分では、いつもの顔ではない、中途半端で不完全すぎる顔なのに、その顔のおかげで、今っぽさやかっこよさが手に入るなんて。

「完璧にメイクをすること=おしゃれ」ではない。
もっと言えば、目や口や肌、一つひとつを単体として完璧なメイクで仕上げた顔は、逆に垢抜け感や洗練感の邪魔をすることがある。

わたしが、ずっと体型やパーツのせいにしていた垢抜けない原因はメイクにあり、「なんか綺麗」「なんかしゃれてる」は、完璧を脱出できたときにはじめて現れる空気なのだということを知った。

服に合わせ、色や質感、形を調整し、全体のバランスや相性をみながらその日のメイクを組み立てる。
それができてこそ、「いい雰囲気」は完成する。

ファッションのひとは「美容のひとってダサいよね」、美容のひとは「ファッションのひとって肌がきれいじゃないし、メイクも知らないよね」というファッション業界と美容業界のあるある話にもあるように、どちらかに偏ってしまうと、とたんに全身の雰囲気はくずれ始める。

だから、目指すべきはいいとこどり。

ファッションと美容のふたつをいい具合に組み合わせ、自分に似合うようフィットさせていくことができれば、持って生まれた顔や体型は関係なく、「なんかおしゃれで綺麗なひと」になることができる。

自分の新しい顔を手に入れたあの日から、今までコンプレックスだった小さな体も丸い顔も楽しめるようになった。

 

「はじめに」に書かれたメッセージいかがでしたか? 次回は、実際に神崎 恵さんが実践されている、メイクと服を似合わせる技やポイントを紹介したいと思います。

 

<書籍紹介>
『服が似合う顔が欲しい』

神崎 恵(著) 1600円(税別)
大和書房

著書累計134万部突破の美容家による一冊。オール私物で紹介する「服」と「メイク」と「ヘア」の似合わせの法則です。
自分が「あか抜けない」と感じるときって「顔だけが浮いている」こと、ありませんか?
最近、「自分の鉄板顔」と違うメイク、していますか?
オール私物で洋服のコーディネートもたっぷり紹介した本書では、
服、メイク、ヘアのトータルで自分をプロデュースする方法を丁寧に解説しました。
◎女っぽい気分のとき ◎甘さを楽しみたいとき ◎知的に見せたいとき ◎カジュアルな服を着こなしたいとき
それぞれ、似合うメイクもヘアも変わってきます。
キーアイテムとなる服の選び方、そこから組み立てるコーディネートの法則、メイクとヘアのポイント…
トータルバランスで考えれば、難しい服も着こなせるし、鮮明なリップも似合うようになります。

いつ会ってもおしゃれ。何を着ても似合う。会うたび、違う一面を見せてくれる。
テクニックさえあれば、誰でもこんな人になれるんです!


書籍分撮影/中島 洸(まきうらオフィス)
構成・文/高橋香奈子 

 

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