長引く外出自粛生活。先の見通しが見えない不安と、常に感染リスクにさらされている緊張感で、どうしても心はピリピリしがち。テレビやSNSを覗いても胸の塞がるようなニュースばかりで、なかなか気持ちが晴れない人も多いと思います。
そこでオンラインで楽しめるオススメ映画をピックアップ。なるべく心が優しくなったり、ハッピーな気分になれるものをチョイスしましたので、おうち時間のおともにお役立てください。
『ヘアスプレー』(2007年・アメリカ)
世の中はいろんな理不尽で溢れている。人種や性別、あるいは容姿に対する差別もそのひとつ。本人の努力でどうしようもできないことに対し、不当な線を引くことは決してあってはならないこと。それでも今も差別は厳然と残り続けている。
そんな社会性の高いテーマを、どこまでもポップに、底抜けにキュートに描いた、最高にハッピーな映画がこの『ヘアスプレー』。主人公は、ちょっと人よりもビッグサイズの女の子・トレイシー(ニッキー・ブロンスキー)。彼女には、夢があった。それは、ティーンに人気のダンステレビ番組『コーニー・コリンズ・ショー』に出演して、スターダンサーのリンク(ザック・エフロン)と一緒に踊ること。
たとえ周囲が笑っても、体型のことなんてトレーシーは気にしない。自分を信じて夢に向かって体当たり。確かにテレビの中の女の子たちはみんな細くて綺麗だけど、トレーシーのダンスからは踊ることが大好きというポジティブな気持ちが伝わってきて、すごくチャーミング。見ているだけでこちらまで元気になってくる。
自分を信じること。古い価値観や偏見にNOと言うこと。そのしなやかな感性こそが、トレーシーのチャームポイント。決して迷わない彼女の明るさと優しさが、周囲の人たちを変えていく。
体型を気にして、ずっと引きこもりだった母のエドナ(ジョン・トラボルタ)にトレーシーは言う、「“人と違ってる”のがいいことなの」と。私たちはいつも人と違うことを引け目に感じて、つい隠そうとする。でも、本当は人と違ってるところこそが、自分のオリジナル。だからトレーシーは人よりビッグサイズの体型をちっとも隠そうとしない。だって、太っている私が私だから。トレーシーを見ていると、自分もこんなふうに生きたいと、踊れもしないのに画面の前ではちゃめちゃに体をスイングしたくなる。
その集大成が、クライマックスのミス・ヘアスプレーコンテスト。トレーシーとその仲間たちが巻き起こす奇跡に思い切りガッツポーズをしながら、ボロボロと温かい涙が止まらなくなる。
ハッピー度指数ぶっちぎりナンバーワンのロマンティックミュージカル映画。音楽もキャッチーで、衣装も60年代のアメリカの空気がつまったカラフルでガーリーなものばかり。閉塞感の漂う今この時期こそ、『ヘアスプレー』を観ておうちでしゃかりきにツイストしたい。
『ヘアスプレー』はamazon Prime Videoで配信中。
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