スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

食品以外の、ほとんどの日用品をオンラインで買っています。店頭で買うよりも、金額、プライス、値段――同じか(笑) が、リアルに迫ってくるように思えるのは私だけでしょうか。現金の授受、みたいなこと以外にサービスを受け取る、コミュニケーションを図る。もしかしたら、試供品みたいなものも付いてくる、ということに「00000円です!」という事実が薄まるのかしら。

 

さて、だからなのでしょうか。1万円の価格、価値を一生懸命考えています。決して少額ではないお金だけれど、出せないこともない。そのものに、そのことに、諭吉様を1枚払う価値は果たしてあるのか。いや、諭吉様以上の価値があるのか、と日々考えています。

例えば。最近使った1万円は、シスレーのヘア リチュアル ヘアケア マスク1万円(税抜き)。4種類のオイルを配合してあり、特徴としては頭皮にも使えるの。実は、通常のコンディショナーやトリートメントは、頭皮にはつけないほうが良い、というのは知っていましたか? ヘアリチュアルは髪と頭皮、両方のケアが1本でできるから、とこれで3本目。いつも伊勢丹のカウンターで買っていましたが、今回はオンラインで。た、高い。高いんですが、もし1万円でカットソーを買うとしましょう。そのカットソーは、きっともって2年。ただし、「私の髪」は一生もの。だとしたら、この1万円は高いことはない、価値あるものだ、と思っています。しかも、髪の長さにもよりますが、2か月くらいはもつ!

そして、中目黒のフローリスト、アルドアーズで頼んだブーケ。2つで1万円。近所の花屋さんがコロナの影響でクローズしており、ヴァンテーヌ時代から大好きなアルドアーズに宅配で頼みました。私の場合、「花を選び、組み合わせる」ことから癒しがスタートするので、「花材を1本1本選べない」この部分は残念なのですが、信頼するアルドアーズなので♡ この状況で「花がない」ことのストレスたるや。ということで、1万円の掛け方としては、「あり」なのでした。

なし、で言うなら。私の場合、今、1万円のワインはない。1万円のディナーはない。1万円のロゴTはない、みたいな感じでしょうか。1万円の価値はどんなものなのか――を考えてみる、良い機会なのかもしれません。

大草 直子

1つ目のブーケはくすんだピンクを入れてください、とオーダー。
2つ目は、白グリーンで、とお願いしました。愛情深く丁寧に箱に入れられ、冷蔵ボックスで届きました♡

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