ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載。前回に続き、45歳で12歳下の彼と結婚したという美知子さんのお話を伺います。
家に帰ると私のためにスリッパを並べてくれる
「ひと回り年下の旦那さんってどうなんですか?」と聞いた私に、「すっごくいいです。年下、皆さんにお勧めしたいです!」と美知子さん。
一体何がそんなにいいのか?
美知子さん:とにかく何しても可愛い。同い年とかだと「はぁ?」ってなることも、年下だと「しょうがないか」って許せちゃう。全然イラつかない。そして「これはできないだろうな」って思ってたことを相手ができるだけで、すごく感動するんですよ。
まさに母親目線。そして彼の方も、「小さい男の子がお母さんが大好きで喜ばせようとする」、そんな感じで、美知子さんが喜びそうなことを一生懸命やってくれるのだそう。
さかい:例えばどんなことをしてくれるんですか?
美知子さん:家に帰ると私のためにスリッパを並べて置いてくれたり、冷たいお茶を作って冷蔵庫に入れておいてくれたり。気が利くし、いちいち感動しちゃって。
とっても幸せそうな美知子さんですが、年齢差カップルだけに、結婚するとき、お互いの両親は反対しなかったのかというのも気になる点。結婚に障害はなかったのでしょうか。
美知子さん:うちは父が亡くなって居るのですが、母は、「あなたがいいならいいんじゃない。だけど美知子には物足りないと思うわ」と。
そして勉さんの実家に挨拶に行ったときは、ちょっとしたハプニングが。勉さんがお母さんに美知子さんの年齢をサバ読んで伝えていたため、会ったときに「干支は何?」と聞かれて、美知子さんは答えられずに慌ててしまったのです。
美知子さん:お母さんのひっかけ問題ではなくて、ただの天然だったらしいんですけど。その場で彼に私の本当の年齢を伝えてもらったら、びっくりはしてましたねえ。お母さんは反対しなかったんですが、彼を可愛がっていた叔母さんには嫌われてしまいました。
子供が居ない叔母さんは、優しい勉さんのことを子供のように可愛がっていて、自分の遺産相続もさせるつもりでいました。それが、いきなり結婚したいと年上の美知子さんを連れてきた上、自分たちの住む茨城を出て行ってしまうとなって、「相続も取り消し!」となるほどにご立腹されたそう。
美知子さん:だけど結婚に対しての迷いは一切なくて。私は占い好きでそれまで散々占いに行っていたのに、彼と付き合いだしてからは一度も行かなかったですね、今思えば。ちなみに、彼との出会いを当てた人も、ひとりも居ませんでした(笑)。
ハワイでの結婚式はコロナ禍で延期に
挙式は今年の夏ハワイでを予定していたところに新型コロナウイルス騒動になり、延期に。けれど私たちが出会った投資クラブの知人たちが60人くらいでお金を出し合って、結婚祝いに冷蔵庫を贈ってくれました。年齢差があっても、共通の知り合いと投資という共通の興味があることが、ふたりの絆を強める材料になってくれているのかもしれませんね。
「外出自粛でリモートワークでも、コロナ離婚とは無縁」と笑う美知子さん。今は毎日、一緒にスーパーに行ったり、3食自炊したり、お弁当を作って近所の公園で食べたり、そんな、ふたりで過ごすおうち時間が楽しくてしょうがないといいます。バツイチでひとり暮らしの私が思わず「いいなあ……」と呟くと、「さかいさんも年下! 絶対おすすめですよ」と、強く年下男性を推されました(笑)。
実は美知子さんは私の昔からの知り合いなのですが、結婚されてから、顔つきが本当に柔らかくなって別人のようになったのです。彼女自身も、「結婚してすごい雰囲気が変わったって言われます」とおっしゃっていました。
女性って、「愛されている」充実感のようなものが、如実に外見に出る気がしています。安心しきったのほほんムード、っていうのかな。それがわかりやすく出ているのが今の美知子さんだなあ、と。
―世間では、女性が年下でも何も言われないのに、男性が年下だととやかく言いたがる人が多いけれど。年齢とか関係なく、一緒に居て優しい気持ちになれて、のほほんと暮らせるならば、それがいちばん。そんな相手を私もみつけたいなと思わせられた取材でした。
構成/川端里恵(編集部)
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