繊細さんは感じる力が強く、社会やまわりの人々変化をひといちばい感じ取ります。同じものごとからどのくらい刺激を受けるかは人によって違っており、「10」の物事から刺激を「1」受ける人もいれば、「100」受ける人もいます。繊細さんは「100」側であり、非・繊細さんよりもたくさんの刺激を受けとります。また、繊細さんは、ひとつひとつの物事を深く考え、慎重に対処する傾向にあります。変化に馴染むには時間が必要なのです。

そんななか「いつもどおり」を目指すと「なんでできないの」「あれもこれもやらなきゃいけないのに」と自分を責めてしまいます。今は、社会も個人の生活も変化の連続であり、まだまだ緊張や不安のある時期です。社会や自分の生活がいつもとは違うのだから、「いつもどおりに」できないのはむしろ自然なことなのです。

なんだか疲れてるなと思ったら
・こまめに休憩をとる
・早めに寝る
・夜更かしが続いてしまうなど、多少生活習慣が乱れても自分を責めない。「こんなときだもの、まぁいっか」と思っておく
・仕事の負荷が高いと思ったら、職場の上司に相談する
・家事も育児も、生きるために最低限のことだけできればOKにする
など、仕事も家事も育児もハードルを下げて過ごしてくださいね。
 

2.上手に休憩しよう:隙間時間には動くのではなく、休む 


疲れやすい時ですからこまめに休憩をとってほしいのですが、実は休憩にもコツがあります。「一日終わったらぐったり」「疲れやすい」という繊細さんにお話を伺うと「一日中ピンと気を張りつめて、なんだかんだと動きっぱなし」ということが少なくありません。

 

仕事と育児が重なるなど忙しい方もいらっしゃると思いますが、2時間に1回は座ってぼーっとするなど、意識して休憩を取り入れてみてください。隙間時間に「今のうちにあれをやっておこう」と動くのではなく、隙間時間には意識して「休む」のです。

こまめに休憩を取り入れることで緊張もゆるみ、少しずつ楽になっていきます。

 


3.上手に休憩しよう:繊細な感受性を活かして休む
 

今の状況では、買い物ひとつにしても「こんななか働いてくれる店員さんがいてありがたいな」と思ったり、レジに並ぶときには前の人と距離をとるよう気をつけたりと、普段よりも「考える量」が格段に増えています。

体と同じぐらい「頭」が疲れている、ということがあります。ですから、休憩では「頭を休めること」を意識してみてください。休憩中にSNSやテレビ・ニュースなどを見ると、次々に情報がインプットされ、頭が情報を処理し続けています。休んでいるつもりでも、うまく休めていないのです。

頭を休ませるためには、五感や、体の感覚に意識を向けるのがおすすめです。
・香りを楽しみながら珈琲を淹れる
・味わいながらお茶を飲み、ただただぼーっとする
・お気に入りの音楽をかけて、歌手の世界観にひたる
・風景を眺めながらお散歩する(考え事をしながらサッサと歩くのではなく、景色を眺めながらゆっくり歩くのがポイントです)
など五感に意識を向けることで、リラックスできます。

新刊『「繊細さん」の幸せリスト』にて詳しく書いたのですが、繊細さんは毎日のなかで小さな喜びを見つけるのが得意です。空が晴れているだけで嬉しくなったり、ふかふかのお布団で眠るのが至福のひとときだったり、友人やパートナーとの他愛のない会話に暖かさを感じたり。世の中が変化しても、人間として感じる「幸せな時間」は変わらないのだと思います。

「ぼーっとできない。なにかしていないと落ち着かない」という方には
・洗濯物をたたむ
・床を拭き掃除する
・趣味の縫い物や編み物
など、頭を使わない単純作業や

・ヨガ
・ストレッチ
・筋トレ
などで手や体を動かすのもおすすめです。

五感で味わったり体を動かしたり、考えなくていい単純作業をすることで、意識が「心と体」に戻ってきます。変化による緊張から離れて、ほっと安心できる時間が戻ってきますよ。いつもどおりを目指さずこまめに休憩すること、五感を大切にすることを、まずは意識してみてくださいね。


次回は、繊細さんの自粛生活でのポイントをお伝えします。

 
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