真面目に頑張っているのに、何度もダイエットに失敗してしまう……。それが「ダイエットこじらせさん」です。ダイエットコーチの七瀬葉さんは、著書『「ダイエットこじらせさん」が今度こそやせる本 食事制限ゼロ、運動ゼロ』で、食事制限や運動から始めるダイエットは、“出発点”が間違っていると指摘。真っ先に手をつけるべきは、心の「こじらせ」にアプローチすることだといいます。

出口を見失った多くの「ダイエットこじらせさん」を救ってきた、未来志向の目標設定術、そして人生に前向きになれる「こじらせ」をときほぐす思考術とは? 気になるメソッドの一部を、本書から特別にお届けします!

 

心からなりたい未来の「私」を思い描くために、未来志向で目標を設定する練習をしてみましょう。といっても、いきなりは無理……という「ダイエットこじらせさん」のために、「未来志向」になるための3つのポイントーー心構えをお伝えします。

 

●ポイント1:できるかどうか、なれるかどうかを不安に思わない
変化を恐れるのは、私たち人間の本能のようなものです。
いったん目標設定をしたものの、不安が高まりすぎて、「その目標、やっぱりやめておきます」と取り下げようとする生徒さんもいます。けれど、現状を変える際、不安は誰の心にも生じる心理的な抵抗です。「これならできそうだからやります」と、過去の延長線上でハードルの低い目標を立てて満足しても、自分を変えることはできません。

たとえ不安な気持ちになったとしても、それは過去にとらわれすぎてしまい、まだ見ぬ未来の可能性を知らないだけ。その目標を咎める人は誰もいません。いったんその不安は横に置いて、心から「なりたい」と思える自分はどんな姿か、自分に問いかけます。「できる」「できない」ではなく、「やりたい」「やりたくない」で判断するクセをつけます。

●ポイント2:「他人軸」ではなく、「自分軸」で決める
「ダイエットこじらせさん」はどうしても、他人の目を気にして物事を判断する傾向があります。「こんなことをしたら浮いてしまうのでは」「こうした方があの人に喜んでもらえるのでは」というのは、他人に基準を置いた「他人軸」な思考パターン。目標設定するときは、「他人軸」から「自分軸」へとスイッチします。

「他人軸」から「自分軸」へのスイッチ例
他人軸:みんながアッと驚く「私」になる → 自分軸:10kgやせる
他人軸:モテモテになる → 自分軸:3人の素敵な男性と出会う
  
「自分軸」で目標設定できると、振り返ったときに「達成できた」と○印がつけられます。ところが、「他人軸」の目標設定だとそれは不可能です。他人があなたの成果をどう捉えるかはコントロールできないからです。自分で「○印がつけられる目標かどうか」を基準に考えてみます。

●ポイント3:なりたい「私」を具体的にイメージする
目標はなるべく具体的にイメージします。私のスクールの生徒さんには、A4サイズの用紙を渡して、なりたい「私」を具体的にイメージできるビジュアルシートを作ってもらっています。

まずは、憧れの体型の持ち主の写真を切り抜いてスクラップします。モデルさん、女優さん、海外セレブなど、誰でも自由。インターネットで検索した画像や、雑誌の切り抜きなど、なんでもOKです。

憧れの体型だけではありません。その体型になったら着てみたいファッション、住んでみたい部屋、訪れたい場所、飼ってみたいペットなどの写真も貼ります。ダイエットに成功した後のライフスタイルをできるだけ明確にイメージできるようにするのです。

こうやって作ったビジュアルシートを日常的に見直していると、無意識のレベルで目標が脳にインプットされ、目指す方向性にブレがなくなります。

後から変更してもいいから、アクションは素早く! これが「ダイエットこじらせさん」が、目指すゴールに早く辿り着くコツです。

七瀬葉さんのスクールで3カ月間指導を受けた「ダイエットこじらせさん」たちのビフォー・アフター。「こじらせ」のときほぐしで、ダイエットも見事成功!(写真左)Sさん・50代:体重64.8kg→52.3kg(写真右)Yさん・30代:体重69.0kg→58.2kg