コロナによって世の中が大きく変わり経済的な不安が高まる中、この荒波を乗り越えるために、お金とはどのように付き合っていったらよいのでしょうか。
今回お話を伺ったのは、経済アナリストの森永康平さん。コロナの影響でキャッシュレス化が進んでいますが「日本はキャッシュレス後進国。キャッシュレス化の波に乗ってお金をふやすチャンス」だとアドバイスします。

 

――外出自粛の期間中に、キャッシュレス決済が増えた方も多いようです。

 

森永康平さん(以下敬称略): はい、そうですね。私はAIの会社にもかかわっていまして(スリーアイズ社の最高財務責任者)、さまざまなデータを分析しています。

日本人の消費がコロナ前とコロナの最中にどのように変わっていったのかを見てみると、買い物は、やはりリアルな店舗からeコマース(ネット上の売買)に移行してきていますし、支払方法もキャッシュレスの割合が確実に増えていますね。

ウイルスが気になって、「現金を触りたくない」と感じる方も増えているのではないでしょうか。

――確かにお財布から現金を出す機会が格段に減りましたね。今後キャッシュレスに移行することで、メリットやデメリットはどんなことがあるでしょうか。

森永:私は、キャッシュレスはメリットばかりで、デメリットはほとんどないのではと思っています。
今月の6月末で終わってしまいますが、政府のキャッシュレス・ポイント還元事業により、キャッシュレスで支払うと、コンビニなどでは2%分、該当する中小型店舗なら5%分が還元されることも、現金払いにはないメリットですね。

また「記録される」という面でもキャッシュレスは非常に優れています。やりとりが現金メインだと、コンビニで買ったコーヒーの金額などを家計簿にわざわざつけないと記録されないですよね。その積み重ねで「財布のお金がいつの間にかなくなっている」という方が多いのではないでしょうか。どんな出費があったかは「なんとなく」くらいの把握だったと思います。

ところが、キャッシュレスになると、入出金がすべて“見える化”されます。家計簿アプリをスマホに入れて、クレジットカードや電子マネーなどで買い物をすれば、小さな買い物もすべて記録されますよね。

――マネーフォワード MEやZaimなどの家計簿アプリは、手軽に使えて便利ですね。

森永:はい。1か月分の出費をまとめて振り返れるのも大きなメリットです。「食費を使いすぎたな」「ファッションにはこれくらいかけていたんだ」などと俯瞰して確認できます。
「なんとなく」だった出費が明確になれば、抑えるべきところも見えてくるのではないでしょうか。

 
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