日本人にとって学歴が「不要なモノ1位」になってしまう理由_img0
写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

インターネット上のアンケート調査で、「現在、必要ないと思うもの」の1位が「学歴」だったことが話題となっています。学歴は男性の全世代で1位から3位、女性の全世代で1位から2位と、年齢を問わず高い順位でした。もはや学歴は不要のものとなったのでしょうか。

 

これは、ある調査会社がネット上で15歳以上の男女約1万1000人に対して実施したものです。ちなみに、2位は資格、3位は車、4位は生命保険でした。

近年、企業における評価の多様性が高まり、グローバル企業の中には入社にあたって学歴を問わないところも出てきています。米グーグルの社員募集要件に学歴は含まれていません。もっとも、こうした措置を実施しているのはグーグルのような先端企業であり、現実問題としてグーグルに新卒で入れる人は、かなりの才能の持ち主といってよいでしょう。
 学歴がなくても大活躍している人は日本にもたくさんいますから、才能さえあれば、学歴が不要であるというのは間違いないと思います。

しかしながら、社会一般では、アンケート調査の結果とは裏腹に、まだまだ学歴に頼っている部分が大きいのも事実です。

教育経済学などの分野では、学歴には主に2つの役割があるとされます。ひとつは学校で身につけたスキルの証明という役割、もうひとつは将来のポテンシャルを担保するという役割です

前者の効用は非常に分かりやすいと思います。大学で統計を学んだ人は統計の知識を持っていますから、統計業務について一定のスキルがあると解釈できます。マーケティングが専門だった人は、そうでない人に比べて、マーケティングの知識をたくさん身につけていることでしょう。

諸外国ではたいていの場合、学歴というのは、身につけたスキルの証明として使われます。例えば米国は、学歴に関係なく実力次第でどんな地位にも上り詰められる国というイメージがありますが、それは才能で勝負する特殊な分野に限った話です。

一般的な労働者の場合、学歴要件は日本よりもはるかに厳しく、職種ごとに必要な学歴が詳細に設定されており、それを満たしていないと、そもそも就職試験すら受けられないケースも珍しくありません。

 
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