テレビやラジオ、イベントなど幅広く活躍する、話すこと・聞くことのプロであるフリーアナウンサー安田佑子さんが「上手な質問の仕方」について解説します。
「ここまでで、何か質問はありますか?」
商談で、プレゼンの質疑応答で、会議で、同僚との会話で、こんな風に質問を求められる場面がありますよね。その時に、「自分の質問で相手に引かれないか不安」「何を質問したらいいかわからない」と結局、質問しないままスルーしてしまった、なんてことはありませんか?
今回のテーマは、ビジネスで信頼を勝ち取る「質問力」についてです。リアルでもオンラインでも役立ちます。「質問する仕事」をずっとしてきた私の実感ですが、意識して質問経験を重ねていけば、質問スキルは必ず伸びます!なぜかと言うと、質問の先には相手の答えやリアクションがあるものなので、「質問の良し悪し」がすぐわかり、対策が練りやすいからです。
仕事で質問力を生かせるようになれば、相手との認識のすれ違いが減り、プロジェクトの精度が深まります。人間関係においても、いい質問をすることで「きちんと理解した上で質問しているな」と相手からの好感度・信頼度がアップします。部下や新人クライアントもあなたの質問にリラックスして答えてくれるようになりますよ。
大人数の場。質疑応答で、質問したいけれど自信がないとき
「こんな質問をするのは失礼じゃないだろうか」「バカだと思われたらどうしよう」と思ってしまい手が挙げられない、というときは、「その質問が自分だけにメリットがある質問か、ここにいる多くの人にメリットがある質問か」を自問してみましょう。後者なら迷わず質問して大丈夫です!
【大勢にメリットがある質問例】
状況:動画ビジネスセミナーにて。質疑応答コーナーで質問する。
これはNG!
「弊社の動画を見て感想をもらえませんか?」
この質問だと、あなたにしかメリットがありません。「動画を見てほしいのはどうしてなのか」を掘り下げて、自分にも多くの人にも役立つ質問に落とし込んでみましょう。
→これならGood!
「お話にも出ていたAという方法を試したのですが、再生数が伸びません。他に何か試してみるといい方法はありますか?」
この方が、他の参加者も有益な情報が得られるので、あなたの質問を好意的に受け止めるでしょう。質疑応答タイムは相手が端的に答えられるピンポイントの質問が望ましいです。いくら全員に役立つ質問でもあまりに抽象的な質問(「どうすればお金持ちになれますか?」など)は、回答者があなたとやりとりをしないと事情がわからず、結局長い時間をとってしまいます。また、敢えてその人に聞く必要がない質問(自分の知らなかった用語や社会現象など)は質問せず、自分で調べましょう。
セミナーなどではなく、仕事相手と大人数の会議で質問をする場合にもこの「自分だけが知りたい質問か(後で個人的に聞けば済むことか)、全員でシェアしておいた方がいい質問か」、「今、ここで聞くのに適切な質問か?」を意識したいですね。
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