スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

デニムは、白とブルーと黒――と思っていました。ベージュのチノパンツと、カーキのカーゴパンツを補充すれば、コーディネートには困らなかったし。「はずし」や「遊び」「カジュアルダウン」としては、このラインナップのうち数本あれば、パーフェクトでしたが。ここ数年、私のカジュアルボトムのワードローブから、チノパンツとカーゴパンツが消えました。あんなに好きだったのに、なぜ? 理由は簡単、似合わないからです。カーキとベージュ、という色は特に問題ないのですが、あの素材がいけない(笑)。どうしても作業服感やほっこり感が出てしまう気がして。

 

「はずし」や「遊び」は、しばらくブルーデニムやブラックデニムに頼っていたのですが、見つけました。何とも言えない、グレージュ色のアッパーハイツ。なんでしょう、この絶妙な色合い。エトープという新色だそうです。以前出ていたエタンカラーより、赤味をマイナスし、よりドライでなじみやすい色。ダメージ加工の白が目立ちすぎないので、デニム、というよりはカジュアルなコットンパンツとしてはけるのが特徴です。

ずっと黒の着こなしばかりが続いた先日、このエトープ色のTHE NINETY'Sで出かけたら。来週に迫ったメンズ誌と、再来週に予定しているミモレのリースで訪れた先々で、本当に褒められました。グレーとベージュの中間のような絶妙な色が、その人自身のキャラクターとしっとりとなじみ、そしてブルーやブラックのデニムより、シックな印象になるのでしょうか(自己分析)。気づいたら、その日は黒を使わないコーディネートになっていました。

黒が気分、とはいえ、「毎日黒」だと、少し重いな、シリアスだな、と思っていたので、スタイリングの気分転換、という意味でもぴったりでした。夏はこんな感じで着て、秋はグレーのカシミヤニットと、冬は柔らかなエッグシェルカラー色のコートと優しく合わせても良いなあ、と思っています。1週間に何度も登場しそうな、エトープ色のTHE NINETY'S、新しいデニムの可能性を連れてきてくれました。

大草 直子

なあんか、ふんわり、優しい気持ちになれるコーディネートです♡
THE NINETY'Sは、くるぶしが見える丈に設定されているので、フラットサンダルともバランスがとりやすい! 通常のフルレングス、LONG LENGTHもあるみたい。私はこの丈が好き♡冬のショートブーツとも好相性です。
我が家の床にもなじむ(笑)、大好きな色。赤味が苦手←肉でもトロでもないよ なので、このニュートラルな色が落ち着く♡

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