私はアラサー婚活女子の恋愛相談コラムを書いているのですが、読者から送られてくるお悩みの中で最も多いのが、「婚活していて好きになれる相手がみつかりません」というもの。
相手のスペックから入るような婚活パーティやマッチングアプリでは、どうしても左脳優勢になって条件ばかりに目が行くため、心を解放して恋に落ちるようなことにはなりづらいのですね。アプリで異性の写真をスワイプしても、カタログで商品を選ぶようには、愛は選べないのです。
婚活が条件から入るとしたら、真梨さんと正男さんの出会いは真逆。
条件で入る婚活とは真逆の出会い
まず、お互いの年齢も職業も名前すら知らないところから入り、LINEのチャットで少しずつ人柄を知り、心を開き合う。しかもそれが、N.Y.という遠距離で行なわれ、ふたりは一度しか会ったことがない。
そんなシチュエーションの中、正男さんは50歳の誕生日に真梨さんに会うため日本に来ると言い出します。正男さんのバースデーは11月後半。
真梨さん:向こうはもう、相思相愛だと思ってたみたいです(笑)。東京で会ってその日の夜に、「俺決めた!」って。
ホテルに行ったのはじゃんけんに勝ったから!?
滞在は3日間のみ。しかも、会ってまだ2回目でプロポーズ。
正男さんの誕生日ということで一緒にディナーを食べたふたり。
会わなくてもここまでのやりとりですでに相思相愛だと思っていた
「これは、頭で考えない方がいいやつ」。そう思った真梨さんは、
結果、正男さんが勝ち、
ベッドの中で突然のプロポーズ
真梨さん:コトが終わってベッドの中に居たら、彼が突然、「決めた! 俺、アメリカシチズン(市民権)を取る。結婚しよう」って。びっくりしますよね(笑)。今まで、おはようからおやすみまでLINEしてただけの関係なのに、向こうが結婚したいと思ってたなんて。付き合おうみたいなやりとりもなかったし……。「この人大丈夫かな?」と思いました。
そんな彼女に対して正男さんは「いろんなカップルが居ていいと思う。俺たちは楽しく行こうぜ! 俺が日本国籍を捨ててアメリカのシチズンを取るから。だけど一緒に暮らせればN.Y.じゃなくてもいいからさ」と。正男さんがこんなことを言い出したのは、
それでも私が結婚を決めた理由
正男さんの「晴耕雨読」な人生観を好ましく思っていた真梨さんは、話をしている内に、「この人と居たら、楽しそう!」と思うように。
真梨さん:テキストのやりとりで人柄はわかってたし、一緒にご飯を食べて話をして、キスして。それが、嫌な感じではなかったんです。今まで付き合った人たちにはすごく気を使っていたけど、彼といるときはそれがない。「一緒に居て疲れないな」って。
「一緒に居てラク」。これって結婚生活を送る上で、最も重要なポイントと言っても過言ではないかも。恋愛と結婚の違いがあるとしたら、「結婚は毎日続く日常だからかっこつけてなんていられない」ってことですもんね。
「結婚するなら、年下で、背が高くてウィットがあって、、、」
「そこに愛はあるのかい?」
真梨さん:私が思い描いていた結婚とは違うけど、難しく考えなくてもいいのかなって。よく、「どんな人と結婚したい?」って聞くけど、「優しい人」とか通り一辺倒な、頭で考えた条件より、自分が自分らしく生きられることが、いちばん大事な気がするんです。どちらかに合わせるわけではなく、私は私、あなたはあなた。お互い自分らしく生きようよ、という姿勢。正男さんはお金持ちでもないし一流企業勤務でもない。だけど成人した27歳の息子も居るバツイチだし、人生経験がある。何より、穏やかで愛に満ち溢れていて、すごく素直な人。この人なら大丈夫。そう思えたから、結婚を決めたんです。
結婚って条件になりがちで、だからみんな結婚したいのに、理屈や条件をつけすぎて、結婚できなくなる。だけど正男さんは「俺は条件でもタイプでもない。根底に愛があるかどうかだ」と言ったそう。
「ボトム・オブ・ラブ」。そこに愛があるかどうか。
これは正男さんの口癖で、何をするにもこれが基準。
条件ではなく、「愛」で結婚相手を選ぶ。言うのは簡単だけど、婚活女子にはなかなか難しい。これを実践するならば、真梨さんと正男さんのように、一度「結婚はこうあるべき」という思い込みを手放して、まずは「自分らしい生き方とは」を考えるのがベストなのかもしれません。
このプロポーズのあと、正男さんは再び親戚の結婚式で一月に来日することが決まっていたため、家族への挨拶と入籍はそのときに、となり、一旦N.Y.に帰って行きます。
このあと、ふたりの自由すぎる結婚計画を知らされたお互いの家族の反応や、入籍後1日も一緒に暮らしたことがないというふたりの別居婚のリアルの詳細は、次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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