『初めて恋をした日に読む話』で年上女性の心をがっちりとつかまえ、2クールにわたって放送された作品『あなたの番です』では第2章・反撃編を盛り上げた横浜流星さん。
次々とヒットドラマに出演してきた横浜さんが、ベストセラー漫画をドラマ化する『私たちはどうかしている』で、愛憎劇が織り込まれたミステリーに挑みます。老舗和菓子屋「光月庵」主人の殺害事件をめぐって、運命に翻弄されながらどうしようもなく惹かれあってしまう椿と七桜。和菓子の世界に生きるふたりの物語を描き出した原作を読んだ印象について「ページをめくる手が止まらなかった」と言います。
*こちらは「2020年人気インタビュー20選」です。元記事は2020年8月11日に配信しました。
浜辺美波さん演じる七桜を前に、
恋心の過程を繊細に出していきたい
「少女漫画らしいラブストーリーのなかにミステリー要素が入っているので、ハラハラドキドキしながら読みました。椿の父親を殺したのは誰なのか? という謎で引き付けながら、伏線が最後に向けて回収されていくところがすごく面白いんです。キャラクターひとりひとりの背景や心情の深いところまで描かれていて、人間ドラマの部分にも惹かれました。
人間って面白いな、と思えるフィクションが好きなのだと思います」
今回演じる椿は、創業400年を超える「光月庵」の跡取り息子。店を継ぐことへの思いと和菓子に対する信念が誰よりも強く、傍若無人ともいえる態度で自らの意志を貫いていく青年です。けれども同じ和菓子職人であり、父を殺した容疑者の娘である七桜の正体に気づかぬまま惹かれたことで、葛藤を抱えることになるのです。
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「椿を演じる上で最も大事にしているのは、その信念の部分ですね。自分のために女性たちを利用してきたような男が、少しずつ七桜に惹かれていく。それまでと同じように利用しようと思っていたのに恋心みたいなものが出てきてしまうという過程を繊細に出せたら、と思っています。椿が七桜に惹かれた理由を言葉で表すのは難しいのですが、今まで関わってきた女性とは全然違ったのかな、と。決してブレない芯があって、家族の愛をあまり受けていない椿に対して愛情を持って向かってくる七桜に、徐々に感情が動かされていくんです。浜辺美波さん演じる七桜を前にして感じることを大事にしながら、演じていきたいと思っています」
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普段から「ようかんやどら焼きなど、すぐにエネルギーになる和菓子をよく食べています。つぶあん派です(笑)」とのこと。和菓子の練習を重ねながら、撮影に臨む日々を送っています。
「最初の頃は難しかったのですが、やっていくうちにどんどん楽しくなってきました。繊細な作業をしてできあがったものを見ると、すごく美しいんです。慎重に作りながらも、上生菓子は乾燥させてはいけないので、時間との勝負。包あんといって餡を包む作業が簡単そうに見えて以外と難しくて最初は苦戦しましたし、あとは線を入れる作業は難しいですね。きれいなシーンになるように努力していきたいです」
気位の高い女将の嫌がらせがエスカレートしていくドロドロの愛憎劇と、和の世界の美しさの掛け合わせも、このドラマのポイントに。横浜さんのすっきりとした着物姿は、まさに美の極み!
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「和菓子も着物も興味がありましたし、原作を再現したセットの日本家屋も、ここに住みたい!っていうくらい素敵なんです。撮影を通してそこで時間を過ごしていると背筋が伸びる感覚があるのですが、椿にとってはそれが日常なので僕自身の新鮮な気持ちは少し隠さないといけないですよね。立ち方、歩き方、礼の仕方。入るときは右足から、出るときは左足から、そこまでには何歩で……、など所作指導の方に細かく教えていただいています。最初は気にしすぎて自然に動けなかったのですが、これからもっと体に馴染んでいくんじゃないかなと思っています」
仕事ができることのありがたみを再確認
学ぶことがたくさんあって大変ではないですか?と聞くと「助かります」と横浜さん。その言葉にも、彼の真面目な素顔がのぞきます。穏やかな空気感を纏っていますが、自分自身が“どうかしている”と感じることはあるのでしょうか。
「どうかしていたのは、学生時代ですかね(笑)。髪の毛ツンツンで外見は派手、内面もパワフルですごく元気だったんです。今は悟りを開いている感じですね、ちょっと早いですけど(笑)」
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最後に、椿にとっての和菓子のように、情熱を注いでいるものについても聞いてみました。
「なんだろう……、情熱を注いでいることは仕事しかないので、奪われたら一番きついと思います。自分は一体どうすればいいんだろう、っていう状態になるかもしれません。お休みをしなければいけない時期は映画やドラマを見て、台本を読んで、あとはたまに友達に連絡をとったくらい。仕事ができることのありがたみを再確認しながら、自分を見つめ直す時間になったと思います。主役として責任を持って、いい作品にしていきたいです」。
横浜流星
俳優。1996年9月16日生まれ、神奈川県出身、O型。2011年俳優デビュー。ドラマ『初めて恋をした日に読む話』『あなたの番です-反撃編-』『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』などに出演。映画『虹色デイズ』『チア男子!!』『愛唄 -約束のナクヒト-』『いなくなれ、群青』などに主演。今年10月23日に主演映画『きみの瞳(め)が問いかけている』が公開予定。
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<ドラマ紹介>
日本テレビ系『私たちはどうかしている』
8月12日(水)スタート
毎週水曜22:00~
原作は講談社「BE・LOVE」で連載中、累計発行部数 200 万部超の『私たちはどうかしている』(安藤なつみ著、既刊 12 巻) 。 浜辺美波さん演じる可憐で才能にあふれる和菓子職人、花岡七桜(はなおか・なお)と、横浜流星さん演じる創業 400 年の老舗和菓子屋のクールな跡取り息子、高月椿(たかつき・つばき) が、15 年前に起こった和菓子屋「光月庵」主人の殺 害事件を巡り、過酷な運命に翻弄されながらも、強く惹かれ合う物語です。
原作:安藤なつみ『私たちはどうかしている』(講談社『BE・LOVE』連載)
出演:浜辺美波 横浜流星 高杉真宙 岸井ゆきの 和田聰宏 岡部たかし 前原滉 草野大成 / 山崎育三郎 須藤理彩 / 中村ゆり 鈴木伸之 / 佐野史郎 観月ありさ
www.ntv.co.jp/watadou
Twitter @watadou_ntv 推奨ハッシュタグ #わたどう
Instagram @watadou_ntv
©NTV
スタイリング/伊藤省吾(sitor)
ヘアメイク/永瀬多壱
取材・文/細谷美香
構成/川端里恵(編集部)
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