美容院やネイルサロンに、コロナ以前と変わらない頻度で行っても良いものか、考えあぐねてしまう昨今。在宅ワークに家事の増加と、暮らしの変化に伴って美容のあり方を見直しているという方も多いかもしれません。そんななか、この機会にネイルをやめたい、健康的な爪を育てたいと思っている方にピッタリなのが、育爪(いくづめ)スタイリスト・嶋田美津惠さんの著書『女は爪で美人になる ネイルしない、磨かない、ムリしないでキレイになる』です。

爪がどんな形でも、爪が傷んでいても、爪の縦すじがひどくても、キレイなピンク色の健康的な爪に変えられると著者は語ります。まず知っておきたい、美爪に悪影響を及ぼすNGルールを、本書から一部抜粋してお届けします。

 

私は1993年に大阪の梅田で「つけ爪なしで爪の形が変わる」ネイルサロンを開業しました。

スカルプチュアやジェルネイルなどの人工爪は一切使わず、手足のすっぴん爪をお手入れする「ケア」と、自爪にベースコート・ネイルカラー・トップコートなどのネイルを塗る「カラー」が2大メニューでした。

 

10年経った2003年のことです。私は、ネイル材料に含まれていたトルエンによる中毒が原因で、化学物質過敏症と診断されました。有機溶剤を含むネイル材料はもちろん、化粧品、香料、洗剤などの日用の消耗品も含め、あらゆる化学物質が、私にとっては呼吸障害や意識障害を引き起こすほどの危険物になりました。

体も心もボロボロになり、大好きだった「カラー」をやめるしか道はなく、やむなくすっぴん爪をお手入れする「ケア」だけを提供することにしました。

すると驚いたことが起きました。今までどうやっても解決できなかった、爪の縦すじ、黄ばみ、爪先がボロボロはがれる二枚爪など、爪のあらゆる問題が、ものの数ヵ月ですべて消えてなくなってしまったのです。

そして、さらにすごいことに気づきました。

それまでの私は、「爪はそのままでは弱くて欠けやすいんです。だから、ネイルカラーを塗らないとしても、爪を保護するために透明なベースコートだけは必ず塗ってくださいね」とお客さまにお願いしていました。

10年以上、お客さまにそう言い続け、私自身、信じて疑わず、ベースコート、ネイルカラー、トップコートなどのネイルを休むことなく塗り続けていました。

ところが、ネイルの施術をゼロにしたら、爪の問題がなくなるどころか、どんどん自分とお客さまのすっぴん爪が健康でキレイになっていきました。塗る→傷む→塗って隠す→さらに傷む……という際限のない悪循環がなくなったことで、問題が根本から解決したのです。ケアする→健康でキレイになる→嬉しくてさらにケアする→ますます健康でキレイになる……という好循環に180度変わっていきました。

爪はあなたの心を映し出す鏡です。爪に不満があれば不満を感じるようなことが起こります。でも安心してください。爪がキレイになって気分がウキウキすれば、ウキウキすることが起こるようになります。