プロが断言！初心者におすすめの投資信託ベスト２【モーニングスター朝倉智也さん】

運用成績のいいファンドマネジャーは少ない？！

西山：先ほど片岡さんが質問していたように、投資信託を始めようと思ったときに、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」という言葉でつまずく方は多いです。

片岡：私も最初、さっぱりわかりませんでした（笑）。

朝倉：「インデックスファンド」とは、指数と同じ値動きをする投資信託のことです。指数というのは、日本株では日経平均株価（日経225）や東証株価指数（TOPIX）があげられます。ニュース番組などで言葉だけ聞いたことがある人も多いのではないでしょうか？
指数は先進国全体の株価の動きを示すMSCIコクサイなど、他にもたくさんあるんですよ。
先ほど話に出た「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」もそういった指数の一つです。
決められた指数と同じ値動きを目指すので、ファンドマネジャーによって運用成果が大きく変わることは基本的にはありません。

一方で「アクティブファンド」とは、簡単にいえば「インデックスファンドよりもいい運用成績を出すこと」を目指してファンドマネジャーによって運用されている投資信託です。

片岡：それなら、アクティブファンドの方が利益がたくさん出るのでしょうか？

朝倉：実は、インデックスファンドに負けているアクティブファンドはたくさんありまして……。
過去10年、日本株のアクティブファンドの半数がインデックスを上回る成績を上げたのは３回しかありません。
つまり常にインデックスファンドの利益を上回るような運用ができているアクティブファンドのマネジャーは非常に少ないということです。

コストを比べると、インデックスファンドは低めで、アクティブファンドは高め。アクティブファンドは、ファンドマネジャーが銘柄をリサーチしたりするなど手間がかかっている分、コストがかかるのです。

片岡：高いコストをかけるほど優れている、というわけではないんですね。

朝倉：また最近は、インデックスと同じような運用をしているアクティブファンドもあります。それでは、高いコストをかける意味がないと思います。

片岡：ファッションやメイクでは、品質やデザインがいいものは価格も高いですが、投資信託はそうとも限らないんですね。

朝倉：はい。インデックスファンド以上に儲かるとしたら、よっぽど成長企業を見極めて割安なタイミングで投資をするアクティブファンドでしょう。ファンドマネジャーが自らきちんと調査をして見つけてきたような成長性の高い企業の株が入っていれば、インデックスファンドとは違う動きをするはず。価格変動のリスクはありますが、うまくいけば大きく伸びるわけです。

西山：昔買ったヘルスケア系のアクティブファンドは信託報酬が2.42％と高いのですが、今２倍以上になっています。もちろん、下がってしまったものもありましたから玉石混合、といったイメージです。

片岡：よいアクティブファンドを自分で見つけるのは難しそうですね。

朝倉：だからこそ最初はインデックスファンドで十分だと思います。慣れてきたら、アクティブファンドを加えてみてもいいですしね。

片岡：最近だと、個人的にはAIや医療といったテーマの投資先が気になりますが、最終的には自分の興味や関心、ポリシーなどで選んでもいいのでしょうか。

朝倉：それでよいと思います。
アクティブファンドは、ファンドマネジャーが、日々銘柄をウォッチして、売り買いのタイミングも自分で決めて、お客さんのお金をお預かりして運用しています。
「私はこの30銘柄でいきます」とか、「ITとバイオ関係の企業の株しか買いません」とか。その運用の考え方に共感できるようであれば、買ってもよいのではないでしょうか。

最近は鎌倉投信の鎌田さんや、レオス・キャピタルワークスの藤野さんなど、ファンドマネジャーのオリジナルな考え方のファンになって、投資信託を買うという方も多いですよね。そういう考えも、僕はよいと思っています。

片岡：信託報酬は、基本的に何パーセントくらいのものがおすすめですか？

朝倉：インデックスファンドなら、最近ものすごく下がっていて0.1％前後のものが多く、この0.1％前後が目安になります。10年ほど前は1％くらいのときもあったので、だいぶ買いやすくなりました。

片岡：10000円に対して10円か100円か、では違いますね。

朝倉：一方、アクティブファンドでは、1.5～1.6％くらいならいいかなと思います。2％までいくと高いという印象です。

西山：以前は信託報酬が3％程度の投資信託も多かったですが、かなり安くなってきましたね。

朝倉：そうですね。運用会社も努力していると思います。投資は、利益がどれくらい出るかは未来の話でわかりませんが、コストは事前にわかっているものなので、しっかり確認しておきたいところです。

 

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