人生100年時代。これだけ長寿化の進んだ現代において、30代はようやく本当の意味で大人になることを自覚する時期なのかもしれません。

積み上げてきたキャリアが認められはじめ、どんどん仕事が面白くなる一方で、人生の大きな選択に迫られたり、少しずつ肉体が変わっていくのを感じたり。10代や20代の頃にはなかった戸惑いや悩みに心を乱されるのが、30代という時間。

俳優・アーティストの森崎ウィンさんも、8月20日で30歳の誕生日を迎えます。10代で芸能界に入り、20代でスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』に出演。ハリウッドデビューという夢を叶えました。さらに映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。日本でも着々と足場を固めつつあります。

充実した毎日の中で突入する30代というネクストフェーズ。今、森崎さんはどんなことを考えているのでしょうか。

ハリウッド進出で注目、森崎ウィン「求めに応えるだけで終わりたくない」_img0
 

森崎ウィン(もりさき・うぃん)
1990年8月20日生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日。中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の新作『レディ・プレイヤー1』で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。2020年に映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。また、主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』の劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出された。

森崎ウィンさんのインタビューカットをまとめて見る>>

 


“森崎ウィン”の名前の重みを感じられるようになった


「30代を迎えて思うのは、芯を持った人でありたいということ。どんなこともそうですけど、なんとなくやっているんじゃなくて、やるんだったらちゃんと次にどうつなげるかを視野に入れてやりたい。自分のやりたいことがはっきりしている人間でありたいというのは、最近すごく考えています」

その決意の裏側を探るには、この1年で起きたさまざまな変化を辿る必要があります。今年3月、長年活動を続けたダンス&ボーカルグループ・PRIZMAXが解散。これまでずっと芸能生活を共にしてきた戦友たちと離れ、森崎さんはソロとしての道を歩むことに。

新しいスタートの号砲となるのが、8月19日にリリースされた1st ep『PARADE』。世界を視野に「MORISAKI WIN」名義でアーティストデビューを飾りました。

ハリウッド進出で注目、森崎ウィン「求めに応えるだけで終わりたくない」_img1

 

「ひとりになって、純粋に責任感が増したなと思います。僕の“森崎ウィン”という名前のうしろにはたくさんの人がついている。名前の重みがすごく増えた気がします。その分、背負うものは大きくなったけど、今はそれがプレッシャーというよりはモチベーションになっている。この意識の違いがいちばん大きな変化ですね」

仕事への取り組み方も確実に変わりはじめています。

「自分の意見を周りにちゃんと伝えるようになりました。こうなりたいっていうイメージも共有しますし、そのためにはもっとこういう面を打ち出したいんだってことも言います。たぶんそれは、昔の自分と違ってきているんだよということを周りの人にわかってもらいたいから。どんどん変わってきている自分をわかってもらうためにも、自分の思いを赤裸々に明かすようになりました」

ハリウッド進出で注目、森崎ウィン「求めに応えるだけで終わりたくない」_img2

シャツ¥22000、カットソー¥14000/ともにクルニ パンツ¥8000/リドム ベルト¥30000/アトウ(すべてシアン PR tel. 03-6662-5525) その他スタイリスト私物(すべて税抜き価格)

そんな変化の根底にあるのは、30代を迎えて、より明確になったプロとしての自覚です。

「何に対しても受け身ではいたくないんです。確かにこの仕事は求められてなんぼの世界ですけど、だからこそただ求められているものに応えるだけで終わりたくない。もっと違う部分もあるんだと知ってもらいたいし、同じことをやるにしてもなぜこれをやるのか理解して臨みたい。中にはそういう態度が鼻につく人もいるかもしれないですけど、まったく考えないよりはいいかなと思っています」

 
  • 1
  • 2