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セックスの悩みを助長する「誤解だらけの性知識」

今さら人に聞けないセックスにまつわる素朴な疑問、ありませんか?
不安になって恐る恐るネット検索してみると、膨大な情報がヒットするけれど、いったい何を信じていいのやら……。
今回は一般社団法人「日本家族計画協会」所長の北村邦夫先生(産婦人科医)に、不必要に悩みや誤解を招く、間違った性知識を正してもらいました。

いいセックスは学習の成果


「いいセックスを実現するには、コミュニケーション能力が大切です。現代人が苦手になりつつあるリアルコミュニケーションですが、これは恥ずかしさや失敗などの経験を積んで学んでいくしかありません。つまり、大事なのは学習です。学習なしには、いいセックスの実現はできません」と北村先生。

 

こんな研究実験を教えてくれました。
性交経験のない若い男女をひとつの部屋に二人きりにしました。すると、普通に会話はするけれど、本能で抱き合うわけではありませんでした。そこで、部屋の冷房を強くしたところ、寒さをしのぐため抱き合いましたが、セックスには至りませんでした。男性の性反応は起きたかもしれませんが、挿入する場所がわからない、セックスの知識がないのでできなかったのです。

「上野動物園の飼育係の方に聞いた話ですが、チンパンジーには性交のDVDをみせて教育しているそう。野生で自然に学んでないため性行為の知識がないのです。
人間も同じで、本来は正しい性教育を学校でしっかりやるべきなのですが、なかなか上手くいっていません。一方で間違った情報は巷に溢れています。自分を守るため、子どもを守るためにも、正しい知識を学ぶことが大事です」(北村先生)。

 

それでは早速、誤解されている性知識を、北村先生に解説してもらいましょう。

女性の悩み1位「オーガズムに達することができない」のは間違った認識

 

性に関する悩み・コンプレックスの質問では、女性の21.5%が「オーガズムに達することができない」、と回答し1位でした。性科学者のウィリアム・マスターズ博士とその研究助手であったヴァージニア・ジョンソンが言っている女性のオーガズムの定義があります。それは「肛門括約筋が約0.8秒間隔で4~8回収縮し、このとき女性は絶頂感を味わう」というもの。
「上のグラフの形を見ても分かる通り、女性のオーガズムはワンパーンではなく多様です。興奮期、オーガズム期、消退期と人それぞれに波があります。アダルトサイトなどで絶叫したり痙攣したり、というのはあくまでも演出。
そういう過激な映像の影響で、自分はオーガズムを経験していないと思っている女性がけっこう多いということ。パートナーと抱き合って一緒に眠るという穏やかなセックスが本当は多数派なのです」(北村先生)。

男性の悩み1位「早漏」は悩みにならない


男性のコンプレックスは、挿入までや射精までの時間の短さが圧倒的に1位(30.2%)でした。
「日本人はなぜか早漏を恥ずる傾向にあります。アメリカの性科学会は早漏の定義を100回のセックスが行われた際に50回以上男性が先に果ててしまうこととしています。
“みこすり半”などと揶揄されますが、時間の問題ではありません。相手が満足していればいいのです。挿入せずにパートナーの興奮を高めて、満足を与えることは充分にできます。相手がオーガズムに達したのを確認してから、男性は果てればいいわけです」(北村先生)。

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