長引くコロナ禍が、なんとおしっこにも影響している?! コロナと膀胱炎、いったいどんなつながりがあるのでしょうか。またコロナによって病院自体が行きづらい場所になってしまい、出来れば行かずに済ませたい、という人も多いはず。市販されている膀胱炎の薬でも効果があるのか、きちんと治せるのかどうかも知りたいところですよね。
自由が丘ウロケアクリニックの佐藤先生に、今回は膀胱炎のさまざまな原因や予防についてお聞きしました。


1.コロナで膀胱炎になる人が増えてるってホント?

 

実はそうなんです。新型コロナウイルスの感染が広まってから“免疫力”という言葉をよく聞くと思いますが、膀胱炎も免疫力の低下が大きな原因なんですよ。さまざまな不安から気持ちも沈みがちになるし、自粛ムードで運動や外出する機会が減ってしまい、身体も動かさない。そうするとどんどん免疫力が落ちていくんです。

自己免疫力がしっかりしていれば、膀胱に多少菌が入ってきても退治できたり、排尿時におしっことともに菌も洗い流せたりするんですが、免疫力が下がるとそういった対応ができなくなるんです。

また、「冷え」も要注意です。身体が冷えると血流が悪くなるので、抵抗力自体が落ちてしまいます。強い冷房や、冷たい食べ物の摂りすぎは控えましょう。ストレスや過労もそうですね。あまりそういうイメージがないかもしれませんが、膀胱ってメンタルとすごく繋がっている臓器なんですよ。とても繊細で精神的な影響を受けやすいので、ストレスはあまり抱えこまないように気をつけてくださいね。

 


2.膀胱炎は市販薬で治してもいいの?


今はコロナが心配で病院に行きたくないという人、多いですよね。膀胱炎を治す薬として売られている市販薬は、五淋散や腎仙散などの漢方薬です。膀胱粘膜の炎症を抑えてくれるので、もちろん使うことに何の問題もありません。
でも残念ながら、根本的な治療にはならないんですね。症状を和らげてくれる良い薬なんですが、完全に菌を殺せるわけじゃないので、何かのきっかけに免疫が下がればすぐぶりかえしちゃうんですよ。うちにも「薬局に行って薬を買ったけど、やっぱりダメでした~」といって来る方がとても多いです。

抗生剤を飲んで、おしっこがきれいになったことが確認できるまでは治ったとは言えません。しっかり治すために病院に行って、ちゃんとお薬を飲みましょう!


3.膀胱炎の予防には何をすればいいの?


膀胱炎のたびに毎回お薬を使うとなると、それはそれで大変だと思います。なので予防医学ではないですが、トラブルを起こさないためのデリケートゾーンケアをおすすめしています。

佐藤先生がおすすめしているデリケートゾーンケアコスメ「CITUCA(ちつ花)」。肌に潤いを与えることで本来の自浄作用をサポート。またph値を整え、デリケートゾーンを清潔な状態に保ってくれる。左から、ケアミスト30ml ¥2900、ケアオイル20ml ¥3100、ケアソープ120ml ¥2900、ケアクリーム50g ¥3900(価格は全て税抜き)。各取扱い医療機関のほか、オンラインショップからも購入可能。スターターキットもあり。

海外では、デリケートゾーンのケアはお顔のケアと同じくらいポピュラーですが、日本ではまだまだ認知されていないんですね。少し前までは私もケアをしていなかったので、まず自分で試して、良かったら皆さんにお勧めしようと使い始めました。これが、すごくいいんですよ~! 変わります。どう変わるかというと、陰部がふっくらしてプルンプルンになります(笑)。


日常的にできるものでは、こまめに水分を取ることですね。皆さん仕事中はなかなか取れなかったり、中には「頻尿になるからあえて飲まない」と言う人もいるんですが、それはダメ。排尿には入ってきた菌を洗い流す役割もあるのに、水分が少ないとその量も回数も減ってしまうからです。

かといって、水を多く飲めば膀胱炎も治る、というのは違いますよ(笑)。おかしいと思ったら、きちんと病院へいってくださいね。

佐藤亜耶 Aya Sato

自由が丘ウロケアクリニック院長。女性泌尿器科、小児医療センター等の病院に勤務後、女性と子どものための泌尿器クリニックを開院。医学博士、日本泌尿器科学会認定専門医。二児の母でもある。


取材・文/梅田千恵(スタジオ・コル)
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎恵

 

前回記事「膀胱炎は何科に行くべき? 検査と治療法」はこちら>>

【全四回】膀胱炎についての特集ページはこちら
第一回「その頻尿の原因も⁉女性に多い膀胱炎の原因と症状を医師が解説」
第二回「見せなきゃダメ?膀胱炎の診察と治療法を医師が解説」
第三回「コロナで膀胱炎が増えている! 市販薬はアリ?ナシ?」
第四回「セックスが原因?膀胱炎がクセになる本当の原因とは」