モデルとして、テレビ出演やラジオパーソナリティとしても活躍中の浜島直子さん、愛称“はまじ”。44歳の彼女が、ファッション、ビューティ、ライフスタイル、さまざまなジャンルで新しい自分を発見していく連載です。
浜島直子として綴った初の随筆集『蝶の粉』
10月2日、はまじが2年の歳月をかけて綴った初の随筆集『蝶の粉』が発売されました。彼女のファッションやライフスタイルを紹介したスタイルブックではなく、文章のみで構成されています。
はまじ「ありがたいことに、スタイルブックなどのお話はたくさんいただきます。モデル仲間の本は素敵だなと思うのですが、いざ自分が出すとなると、違和感があって、心がざらりとするんです。私らしさを貫いて最後まで楽しく作っているところが想像できなくて。だから最近はすべてお断りしてきました」
「はまじはモデルだからファッションの話ばかりだと思っていたよ」
本をめくって数ページで、はまじの選ぶ言葉、文章に惹きつけられます。それは連載を読んでいた周囲の人も同じでした。
はまじ「『蝶の粉』を出すことになったのは、5年前に『Kiitt!』という雑誌で連載を書いていたことがきっかけです。毎月、1000文字程度の文を寄稿していました。1回目の原稿が完成したとき、嬉しくて『カズちゃん、できたよ!』と夫に見せたんです。そしたら、読み終えてすぐに『すごくいい! 映画も本も、人は時間が立つと細かい内容は忘れてしまうんだよ。人の記憶として何が残るかというと、それは雰囲気や空気、温度感。それで“ああいい本だったな、映画だったな”という記憶が残るんだよ』と言ってくれて。さらに『すでになおの空気はできているから、このまま壊さずに書き進めるといいよ』と言ってくれました。
彼の助言もあって、私は感じたことを思うままに連載を書き綴っていました。まとまったら一冊にというお話もあったのですが、残念なことに途中で休刊になってしまったんです。
それを絵本『ねぶしろ』シリーズを作ってくれているミルブックス主宰の藤原康二さんに話したら、『もったいない!』とおっしゃってくださいました。藤原さんには、第一回目の連載号をお渡したことがあって、『はまじはモデルだから、洋服やバッグの話を書いているのかと思っていたから、正直言って驚いたよ』と言われました。私の連載を気に入ってくれたようで、その後ずっと連載を読んでくれていたんです。
それで藤原さんが『少し書き足して、うちで出しませんか?』と声をかけてくれ、書籍化することになりました」
こうして、モデルはまじとしてのスタイルブックではなく、浜島直子としての一冊を作ることに。
いざ読み返してみると、過去の文章は今の自分と距離があったり、連載の1000文字では十分に伝えきれていないと感じるお話も多くあったので、藤原さんにお願いをし、2年をかけて大幅に書き直しました」
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