ニューヨークは再びロックダウン!?


そして、ニューヨークでは再び「一部地区でのロックダウン」という動きにつながりました。これはとても早い仕掛けだったと思います。

また、春先の状況とは少し景色が異なります。一部地域でクラスターが生じ、大幅に感染者数が増加している一方、ほとんど増加が見られていない地域もあるからです。

ニューヨーク市内は、地域によってそこに住む民族、住環境、生活スタイルなどが大きく異なります。春の感染流行の際には、比較的満遍なくあらゆる地域で感染者が増えましたが、今回はブルックリン及びクイーンズと呼ばれる地区の一部地域に限定されます。

これらの地域では、春のロックダウン後もマスクの装着率が低く、大人数が集まる礼拝が1日に2回も3回も行われ、大人数での結婚式なども度々開催されていたことが指摘されています。

これは私がマンハッタンで目にしている景色とは大きく異なります。

感染流行の度合いが同じ市内でもかなり異なるため、地区で区切ったロックダウンを行うことが決定されました。該当地区では、不要不急のビジネス、学校などが閉鎖され、集会も禁じられ、これが2週間続くことが決定しています。

これに反応する形でマスクが燃やされたり橋をデモ車両が封鎖したりするなど、抗議デモが起こり、混乱も生まれています。
 

 

マンハッタンは活気を取り戻しつつある


一方、大半の方がニューヨークと聞いてイメージするマンハッタン内では、ロックダウンの行われている地域はありません。私もマンハッタンの中に住んでいますが、むしろ街は少しずつ活気を取り戻してきている印象もあります。

ただ、本来なら、これからThanksgiving dayやクリスマスシーズンを迎え、観光客でごった返してくる時期ですが、他の多くの州や国からの渡航では2週間の自主検疫が課せられる状況ですので、あいにく観光客はほとんど見られず、例年ほどの活気はありません。

住む者としては住みやすさを感じる部分もありますが、やはり人の少ないニューヨークというのは寂しいものです。

また、銃犯罪や殺人が増えているのも気がかりです。昨年と比較すると、これまでで銃犯罪は90%近く、殺人は35%ほど増加しているようです(参考4)。その他の種の犯罪で減っているものもあり、犯罪数全体では大きな増加はないようですが、経済悪化に伴う治安の悪化というのは今後もしばらく気がかりな状況が続きそうです。

医療機関の感染対策としては、今年はいち早くから熱心にインフルエンザワクチンの普及を進めています。全く関係ないことで受診した患者さんにもすぐにインフルエンザワクチンをオファーしていますし、各ドラッグストアチェーンも大々的に無料のワクチン接種の広告を掲げています。
 

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