田村淳×青木さやかのSNS論「傷つきながら、少しずつ自分のやり方を見つけるしかない」
タレントの青木さやかさんが、人生の恩人との対話からこれからの生き方を考える新企画。ロンドンブーツ1号2号・田村淳さんを迎えての第一回後編では、今の時代避けることが難しい、親子両世代におけるSNSとの向き合い方や、いかに新しい価値観に触れて、自分の人生を変えていくか。その方法について語らいます。
SNSとの向き合い方も恋愛も、
自分だけのマニュアルしか役立たない。
青木さやかさん(以下、青木):私はネットやSNSで自分に関する意見を読むと気持ちが落ちるので見ないようにしてるんですが、親切心からか、わざわざ耳に入れてくる人がいるんです。
田村淳さん(以下、田村):「こんなこと書かれてたよ」って言ってくる人、いるいる(笑)。
青木:小学生の娘も「青木さやかは太ってるって書かれてたよ」とか、お友達に言われるみたいで。まだ本人はそれほど気にしてない様子なんですけど、今後「太ってる」以上のことを友達から言われたら、どんな思いをするのか……。ネットやSNSに書かれている私に対する言葉で娘を傷つけるのであれば、あまり注目を浴びずに済む場所で、長くやっていきたいなとも思ってしまうんですよね。でも、淳さんはずっと第一線にいて、自らSNSもネットもガンガンやってますよね。嫌な気持ちになりませんか?
田村:嫌になった時はある。ニコ生の配信を初めてやった時は、それまで関わっていたネット民と全然違って、刺々しい言葉を投げられたんだよね。俺も、酔っぱらいながらやってたから「ニコ生と戦争してやる」みたいなこと言っちゃって、大炎上。でも、彼らも俺が怒るのを楽しんでるだけなんだよ。最近、「アンチもファン」ってよく言ってるんだけど、俺のことが嫌いなら、そもそも配信を見に来ないから。
青木:そう思える強さは、どこからくるんですか?
田村:何度も何度も、本当に何度も、嫌な思いをしながら、アンチがファンになる瞬間を経験してきたから。「死ね」とか言ってた人に、俺のこと気に入らない理由を聞いて、そこに対して謝った上で、でもコミュニケーションとしていきなり“死ね”とか“バカ”とかはないですよね、って言うと、向こうも「すみませんでした」ってなる。それからは、もう仲間。「淳さん、こんな情報もらったんで、よろしければお納めください」みたいな(笑)。
青木:淳さんの向き合い方、マネできないけど尊敬します。今、芸能界に限らず、どのコミュニティでも、SNSによって傷つけられる人がいますよね。そうした人たちに言葉を掛けるとしたら、「アンチも味方だよ」ってことですか?
田村:いや、俺が言った「アンチもファン」というのは、俺の経験と、その後の成功体験に基づく言葉だから。それだけ抽出して投げ掛けたところで、誰にもまったく響かないと思う。俺の方法や考え方は、あくまで俺専用。他の誰かに当てはまることはないんだよね。SNSは、本当に苦手なら、関わらないほうがいい。でも、そこで何かを表現したり、発信したいなら、上手く向き合う方法を自分で見つけないと。話しながら思い出したんだけど、青木さん昔、恋愛のマニュアル本、買ってたよね。
青木:『ルールズ』(編集部注・世界的に大ヒットした恋愛指南書)、よく読んでいました。面白い本でしたよ。
田村:俺は、マニュアル本に書かれてることはほとんど当てはまらないから、読まなくていいと思ってる。自分の生き方のマニュアルは自分でしか作れないし、マニュアル本にだけ頼ってると、それなしでは生きられなくなっちゃいそう。SNSにしても恋愛にしても、自分なりの方法を見つける以外ないんじゃない?
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