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田村淳×青木さやかのSNS論「傷つきながら、少しずつ自分のやり方を見つけるしかない」

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青木:ちょっとずつ、傷つきながら、だんだんと自分だけのマニュアルを見つけていくということですね。

田村:そう。とはいえSNSで傷つけられた人が自殺してしまうこともあるから、俺は自分の影響力を上手く使って、法改正も同時に訴えていこうとも考えてる。

青木:私もかなり傷ついたので、子供には本当に傷ついてほしくないんです。

田村:俺は最悪、子供が学校に行かなくてもいいと思ってるんだよね。全部自分で教えればいいから。本当に苦しい時に、行くことを強いるのはやめようと思ってる。

青木:淳さんなら教えられること多いでしょうね。うまく学校や友人との連携がとれたら、そんな素晴らしいことはないですけど。私はとても自己肯定感が低くて、私が私を大事に思っていなかったから、一番大事な娘を褒めるということが難しかった。でも今は娘の学校に関わることで私も自己肯定感を高めて、生き直していると実感します。

田村:実体験からしか出てこない、これだけ強い言葉が出てくるってことは、青木さんがめちゃくちゃすごい領域にいってるってことだよ。

 


オワコンにならないために、
常に価値観のアップデートを。


青木:以前、「売れたくて上を目指すより、登った後、平坦になった道をキープするほうが苦しい」と言ってたじゃないですか。その苦しさは、今でもありますか?

 

田村:全然ない! 同じ道を維持する気がないから「明日から、あなたクビです」って言われても、そうですか、くらいしか思わない。

青木:『グッとラック!』(編集部注・田村さんが今年10月から参加している朝の情報番組)もですか?

田村:もちろん、理由は聞くよ。でも、芸能界でなくても、いくつか幸せの方法を見出せてるから、しがみつきはしないな。それこそが危険な行為だと思う。芸能界って、これだけ人目に晒されて、人気の有無が生活に直結してるのに、何の保証もない不思議な世界。こんなところに依存してたら、壊れちゃうよ。俺はネット、事業、大学院といろんなことを同時に走らせてバランスを取ってるところがあるし、芸人さんとの飲み会は極力行かない。ああいう場って、同じムラでの話から広がらないから。偉い先輩を囲んで、その人が認めないものは一切面白くない、みたいな空間が心底嫌だったなあ。

青木:淳さんには、芸人としてのこだわりみたいなものがまるでなくて、私には新時代的に感じられます。

田村:この世の中には、面白いことや楽しいことが無限にあるはずで、俺はそういうモノにたくさん出会いたい。そう思ったら、外の世界で新しい仲間ができて、俺の心を健全にしてくれたんだよね。その筆頭が、植松電機代表の植松努さん。

青木:どんな影響を受けたんですか?

田村:植松さんに言われたのが、「夢を持てるだけ持ちなさい」って言葉だったのね。芸人の世界に入って、お笑い以外のことをやろうとすると、「なんで芸人がそんなことするんだよ」「何がやりたいわけ?」って先輩から怒られて、やりたいことができなくてすごく苦しかった。小学生の時も、夢を書きなさいって言われて、20個くらい羅列したら、先生に「1個に絞りなさい」って言われた記憶がある。でも、植松さんは「“明日、カレーが食べたい”でもいいから、どんどんやりたいことや夢を思い浮かべて、実現していけば自分が豊かになる」って言ってくれて、すごくラクになった。やりたいことを羅列するという行為は、未来に対してポジティブな思考を持ってるということ。だから、やりたいことを実現していくのって、すごく楽しいよ。