自分の「太陽と月とアセンダント」を知って風の時代を上手に生きる【占星術家・新里ひろきさん】
日米で活躍する心理占星家・新里ひろきさんへのインタビューの後編。
今、変革期を迎えているこの時代に、星たちはどんなメッセージを私たちに送っているのでしょうか。
前編では、西洋占星術界でいわれる「風の時代」について詳しくお聞きしました。
後編となる今回は、この激動の時代に私たち一人一人が星占いをどのように活用すると幸せのありかを見つけることができるのか、新里さんが心理占星術に携わるようになったきっかけについても触れながらお話をお伺いしました。
新里ひろき
アメリカ・フロリダ州在住の心理占星家。西洋占星術界の重鎮ノエル・ティルに師事。氏の難解で有名なマスターズ占星術認証コースの最優秀卒業生。ISAR(国際占星術研究協会)における講演等を含め国際的に活動する。日本では唯一ノエル・ティル公認の占星術家養成講座である「ティル式心理占星術マスターコースJAPAN」を中心に来日セミナー、オンライン講座、心理占星術ポッドキャスト等を通じて活動中。
ホームページ:https://www.hniizato.net/
Facebook:https://www.facebook.com/niizato/
宇宙の法則を紐解く鍵が占星術にある
編集部:新里さんはアメリカの大学を卒業されていらっしゃいますけど、占星術と出会われたのは、その大学に在学しているときだそうですね。
新里さん:日本で高校を卒業した後、アメリカの南フロリダ州立大学に留学しました。その在学中に友人の影響で瞑想や東洋思想といったものに触れる機会があって、スピリチュアル関係の一環として占星術に触れたのが最初です。
私、実は大学での専攻はコンピューターサイエンスなんです。でも、図書館では心理学や占星学といった分野の本ばかり読んでいた記憶がありますね。
アメリカには占星術の書籍が古いものから新しいものまで豊富に出版されていましたから、それを学生時代に読み漁りましたよ。100冊くらいは読んで勉強しました。
その中で興味を引いたのは、心理学者であるカール・ユングや、天文学者のケプラー、ニュートンといった著名な学者たちも占星術を勉強していたという事実です。昔は天文学と占星術は同じ学問であり、知的探究の一環として学者たちが学び、研究していました。
今でも占星術に興味をもつ人は、特に男性の場合、数学やコンピューター関係の人が多いんです。いったいどういう仕組みになっているんだろう、という探究心から入ってくるんですね。何か宇宙に法則があって、その法則を知る手がかりが、占星術を学ぶことで見つけられるんじゃないかと思うわけです。ですから、男性の占星家には解釈のメソッドを追求している人が多いですね。
女性の場合は、もっと直感や情緒面で何かつながるものを感じて占星術の世界に入ってくるケースが圧倒的だと思うんですけどね。
私も占いには正直、そんなに興味があったわけではないですけど、占星術に関しては神秘的な科学という認識があって、科学的証明はできないけれど学問として引きつけられました。
恩師の説く心理占星術は現代に適した星の解釈
編集部:占星術を学ばれて、ご自身はどんな発見や気づきがあったのでしょうか。途中で興味が薄れたりはしなかったのですか。
新里さん:占星術の本を読んでいくと、「こういう配置があると運勢が悪い」「この星の配置は幸運である」というような描写がたくさん出てきます。つまり星の位置によって吉凶が分けられていて、それは文献が古ければ古いほど幸運と不運の区別が非常に明確に書かれているのです。
それを読みながら思いました。これをそのまま鵜呑みにしたら、その人の性格や人生、運命といったものが決定づけられてしまう。そうだとすると、もし星の配置が悪くて苦労する運勢だったら諦めて生きるしかないのか。それってちょっと納得いかないなと思ったわけです。
そういう考え方は、心理学や脳科学がここまで発達している現代にはそぐわないと思いました。人間は考え方も人生も変えることができる。それは心理療法でも脳のしくみとしても証明されていますからね。心の傷やトラウマを癒すこともできる時代ですよ。人が幸せになれるかどうかを、星の配置で決めつけてしまうというのは、心理学や脳科学のこれまでの進歩を無視する解釈になってしまうので、それはあまりにも古典的すぎるなと。
でも、吉凶で判断する文献があまりにも多くて、もう占星術を勉強する価値があるんだろうかと悩んでいた時期もありました。
そんなとき、ノエル・ティル先生というとても著名な占星家と出会うことができたのです。ノエル・ティル先生は占星術を幸運、不運と分けて固定するのではなく、現代人の人生というものを考慮されて、占星術を読み解いていらっしゃった。人間の意志や可能性を考えたうえで占星術と向き合っていこうという姿勢がありました。
それがひしひしと伝わってきたので、先生のもとで勉強しようと思ったわけです。
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