アメリカ大統領戦はすでにバイデン氏が勝利確実との報道が出ていますが、このままバイデン氏が大統領に就任した場合、アメリカ史上初の女性副大統領となるのが、民主党のカマラ・ハリス上院議員。彼女のニュースで、大統領夫人を表す「ファースト・レディ」に対して副大統領の夫を指す「セカンド・ジェントルマン」という言葉を初めて知った方も多いのではないでしょうか。

7日に行われた勝利演説の壇上にて。写真:AP/アフロ

女性であるだけでなく黒人とアジア人の血を引く彼女は、マイノリティの象徴とも言える存在で注目されていますが、実はファッションも意外と(失礼!)素敵。着こなしでいえばバイデン夫人であるジル・バイデンの方が華やかでそちらに軍配が上がるのですが、ファーストレディと政治家の装いは違って当たり前。カマラはあくまでも上院議員としての質実剛健が信条の着こなし、比較すること自体が間違っていると思います。

けれどそんなカマラのファッション、よく見るとこなれ感があって女性らしさも意識していておしゃれ。そして政治家らしく、そのスタイルにも彼女らしいメッセージが込められたこだわりが。今回は、そんなカマラのファッションから彼女の人となりを紐解いてみます。

足元はコンバースのチャックテイラーで女性の自由をアピール
長年のコンバースファンであることを自認しているカマラは、とにかくコンバースのチャックテイラーが大好き。以前のインタビューでは「ブラックレザーに白、紐付きに紐なし、夏用に冬用に、パンツスーツ用の厚底まで。チャックテイラーの全種類を持っているわ」と発言しているほど。

そんな彼女が9月に副大統領候補として初めてウィスコンシン州ミルウォーキーを訪れ、チャックテイラーを履いて飛行機から降り立ったときの動画は、すぐに530万回以上再生され、Twitterでも「コンバース」「チャックテイラー」などのワードがトレンド入り。ネット民たちから「チャックテイラーを履いてる議員!」、「彼女、すごくクールじゃない?」と大ウケだったのですが、実は彼女がチャックテイラーを履いていることにはコンフォートだということ以外に大きな意味が。

写真:ロイター/アフロ

1993年まで女性は上院でパンツ着用禁止だったし、現在でも女性政治家は公の場ではハイヒールを履くのが一般的。そんな中であえてスニーカーで選挙を闘う姿に、女性たちは共感したのです。


パールのジュエリーは黒人女性であることの誇りの証し
実は黒人からの支持率は低かったカマラ。それは彼女にはインド人の母親の血が入っているから。けれど彼女自身は自分の黒人であるというルーツをとても大事にしていて、彼女がよく着けているジュエリーにも、その想いが込められているのです。 

カマラが卒業したハワード大学は優秀な黒人学生が集まることで知られる大学。その大学の黒人女性のための社交クラブ、アルファ・カパ。そのクラブは「20粒のパール」と呼ばれ、メンバーになるとクラブを象徴する20粒のパールをあしらったバッジが授与されるそう。つまり、彼女がよく着けているパールのネックレスやイヤリングは、黒人女性であることの誇りを表すものだということ。

写真:AP/アフロ

写真:AP/アフロ

写真:ロイター/アフロ

ただし、優秀な政治家である彼女は、黒人票を集めるためにそれを意図的にやっているという可能性もあるので(疑いすぎ?)、どこまでが本心かはわかりませんが……。このように、ファッションを上手に操ることで民衆の心を徐々に掴んだカマラ。政治家としてもかなりクレバーで抜け目のないタイプと言えそうです。

ネットでは政治的信念について賛否両論あるカマラですが、おしゃれという観点では、毛先だけ巻いたヘアスタイルだったり、パンツスーツのときでもインナーは程よくフェミニンなアイテムを合わせていたりと、肩肘張りすぎずしなやかさのある着こなしに好感が持てます。

このあと、本当にアメリカ初の女性副大統領誕生となるのかどうか(まだトランプ氏が敗北宣言していませんからね)。固唾を飲んで見守りたいと思います!


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